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  1. 山口県議会 2001-02-01
    03月07日-04号


    取得元: 山口県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-15
    平成 13年 2月定例会   平成十三年二月山口県議会定例会会議録 第四号      平成十三年三月七日(水曜日)                              議事日程 第四号      平成十三年三月七日(水曜日)午前十時開議  第一 会議録署名議員の指名  第二 一般質問  第三 議案第一号から第六十三号まで(質疑)                              本日の会議に付した事件  日程第三 議案第一号から第六十三号まで                 会議に出席した議員(五十三人)                          柳   居   俊   学 君                          山   手   卓   男 君                          畑   原   基   成 君                          亀   永   恒   二 君                          吉   井   利   行 君                          末   貞   伴 治 郎 君                          伊   藤   博   彦 君                          藤   山   房   雄 君                          吉   田   和   幸 君                          大   西   倉   雄 君                          横   山   豊   治 君                          伊   藤       博 君                          三   木   康   博 君                          石   﨑   幸   亮 君                          松   原       守 君                          西   本   輝   男 君                          塩   満   久   雄 君                          水   野   純   次 君                          加   藤   寿   彦 君                          友   田       有 君                          二   木   和   夫 君                          宮   﨑   幹   嗣 君                          佐 々 木   明   美さん                          小   泉   利   治 君                          久 保 田   后   子さん                          藤   本   一   規 君                          重   宗   紀   彦 君                          松   永       卓 君                          西   嶋   裕   作 君                          池   田   親   男 君                          新   谷   和   彦 君                          田   中   文   夫 君                          桑   原   孝   行 君                          近   間   一   義 君                          三   村   真 千 代さん                          藤   井       真 君                          島   田       明 君                          田   中       貢 君                          斉   藤   良   亮 君                          岸   田   淳   子さん                          橋   本   憲   二 君                          守   田   宗   治 君                          藤   谷   光   信 君                          武   田   孝   之 君                          久   米   慶   典 君                          橋   本   尚   理 君                          竹   本   貞   夫 君                          河   野   博   行 君                          秋   野   哲   範 君                          村   田   哲   雄 君                          長 谷 川   忠   男 君                          森   中   克   彦 君                          河   村   敏   夫 君                会議に欠席した議員(なし)                議案等の説明のため会議に出席した者                    知事          二 井 関 成 君                    副知事         綿 屋 滋 二 君                    副知事         大 泉 博 子さん                    出納長         河 野   勉 君                    総務部長        谷   晋   君                    総務部理事       吉 冨 克 史 君                    企画振興部長      瀧 井   勇 君                    企画振興部理事     辻 田 昌 次 君                    環境生活部長      小 倉 淑 夫 君                    健康福祉部長      藤 井 俊 彦 君                    商工労働部長      前 田 隆 康 君                    農林部長        原 田 公 平 君                    水産部長        野 村 照 男 君                    土木建築部長      西 本 久之輔 君                    出納局長        上 符 正 顕 君                    財政課長        荻 澤   滋 君                    公営企業管理者     藤 井   寛 君                    企業局長        河 野 伸 之 君                    教育委員長       山 田   宏 君                    教育長         牛 見 正 彦 君                    公安委員長       末 永 汎 本 君                    警察本部長       山 浦 耕 志 君                    代表監査委員      藤 村   實 君                    監査委員事務局長    藤 屋 靖 夫 君                    地方労働委員会会長   加 藤 政 男 君                    地方労働委員会事務局長 吉 田   敦 君                    人事委員長       山 田   悟 君                    人事委員会事務局長   森   昌 幸 君                    選挙管理委員長     廣 嶋 彬 智 君                 会議に出席した事務局職員                    事務局長        杉 山 博 正 君                    事務局次長       村 田   博 君                    総務課長        伊 藤 純 隆 君                    議事課長        吉 次   薫 君                    調査課長        岡 屋 武 紀 君                    秘書室長        木 村 克 己 君                    議事課主幹       清 水 英 司 君                    主査兼議事係長     中 田   望 君                    記録係長        松 永 政 彦 君                    主任主事        黒 石 千絵子さん                    主任主事        大 井 良 平 君     午前十時開議 ○議長(島田明君) これより本日の会議を開きます。 △日程第一会議録署名議員の指名 ○議長(島田明君) 日程第一、会議録署名議員の指名を行います。 河村敏夫君、吉田和幸君を指名いたします。 △日程第二一般質問 △日程第三議案第一号から第六十三号まで ○議長(島田明君) 日程第二、一般質問を行い、日程第三、議案第一号から第六十三号までを議題とし、質疑に入ります。 一般質問及び質疑の通告がありますので、それぞれの持ち時間の範囲内において、順次発言を許します。 三村真千代さん。    〔三村真千代さん登壇〕(拍手) ◆(三村真千代さん) 日本共産党三村真千代です。おはようございます。水野県議の代表質問を踏まえ、一般質問を行います。 まず最初に、「雇用をふやし、暮らしと社会保障を守る予算に」と題しまして、その第一番目に雇用問題について伺います。 今、景気、雇用をめぐる状況は、本当にひどいものがあります。家計を支えている中高年には、「希望退職」という形での退職強要や、「出向」による会社からの追い出し、給料、ボーナスのカットなどなど、リストラのあらしが襲いかかっています。 こうした乱暴なリストラで、大企業を中心に企業収益は大きくふえましたが、景気回復の決め手となる個人消費は冷え込んだままです。そのため、長期不況から抜け出すどころか、新たな景気後退の危険が現実のものとなってきました。 このままでは、企業収益をふやすためのさらに大規模なリストラと新規採用抑制、その結果、国民所得と消費の一層の減少という、最悪の悪循環に陥ってしまいます。 どんな企業でも、長きにわたって新規採用を削減し続ければ、年齢構成が「逆ピラミッド型」になってしまい、組織の存立基盤そのものを揺るがすことになります。これは地方公共団体も同様です。 山口県もこの間、新規採用を削減し続けています。平成七年度の新規採用数は、県職員百六十三名、教員二百八十一名でしたが、平成十二年度は、県職員八十六人、教員百三十人と激減しています。 このため、二十代が占める割合は、知事部局が、平成七年で二一%から平成十二年度の一五%と、六ポイント減少する一方、五十代の割合は一八%から三○%へと激増です。 もっと深刻なのは学校現場です。小・中・高校の全体で、二十代の割合は、平成七年度一八%から平成十二年度九%と半分になり、特に小学校は一七%から七%へと激減しています。そのため、「子供と一緒に遊べる先生が少ない」、「部活の顧問のなり手がいなくて部活ができない」などの事態が起きています。 新年度から少人数授業が導入されますが、小・中・高校の教職員定数は百二十人も減り、新規採用数はわずか百三人、こんなことを続けていたら、若い先生の不足と高齢化が深刻になるばかりです。 知事、そして教育長、この現状をどう認識されておられますか。 教職員、特に若い先生をふやし、学校を本当に「楽しい」場所にするため、小・中・高の学級編制基準を三十人以下にし、教職員定数を大幅にふやすことが切実に求められていると考えますが、いかがですか。 また、県職員の仕事も多忙化の一途であり、平成十一年度から五年間で百五十人も定数を減らす計画を、これを見直し、大いに新規採用をふやすべきと思いますが、いかがですか。 続いて、緊急地域雇用特別交付金についてお伺いいたします。 この特別交付金は、失業者に対して雇用創出の場を提供するため、平成十一年からスタートし、次年度までの予定で取り組まれているもので、山口県には約二十三億円が交付されています。平成十二年度までに約十一億四千万円が使われ、約三千六百人に雇用の場が提供されるようです。 この事業の運営について労働省は、幾つかの問題点があることを認め、昨年十一月、担当室長名で今後の運営に当たっての改善点を挙げ、「十分留意して取り扱うよう」求める通達を出しているようです。この通達に照らして、県内でどのような問題があり、どう改善を進めるおつもりなのかについて、まずお伺いいたします。 また、この事業には、「原則民間委託、最長六カ月間」などの規制もあるため、本来の目的から見て、十分効果が生まれているとは思えません。国にこの事業の継続と予算の増額、各種規制の緩和を求めるとともに、県としても、本格的な失業対策に取り組むお考えはありませんか、お尋ねをいたします。 次に、中小企業対策についてお尋ねいたします。 水野議員も指摘しましたが、昨年一年間、県内で一千万円以上の負債を抱えて倒産した中小企業は、前年よりも三十二件も多い百七十二件、負債総額は五百十三億円に及んでいます。 昼夜、資金繰りに苦労している中小業者にとって、頼みの綱の一つが県の制度融資です。 ところが県は、新年度予算案で新規融資枠を、今年度の一千億円から八百億円へと減額しました。平成十年に創設され、昨年十二月までに一万件、千八百五十億円の利用があった国の特別保証制度も、今年度限りで打ち切られる予定で、中小業者にとってはダブルパンチです。 融資枠の削減について、県は「最近の利用実態に応じた是正」と言いますが、その原因の一つに、信用保証協会の審査条件の厳しさがあるということは、先般の他の議員の御指摘にもありました。 例えば、無担保無保証人制度は、山口県を初め全国十三道府県にありますが、そのうち大阪府、京都府、奈良県など八府県は損失補償を設定し、支援しています。山口県も一般事業資金、特に無担保無保証人制度に損失補償を設定し、金融面での中小業者支援を強めるお考えはありませんか。 また、新規融資枠をもとに戻すとともに、特別保証制度の継続を国に求めるべきと考えますが、いかがですか。 次に、建設業の九割以上を占める中小業者も、過剰競争によるダンピングや大手ゼネコンの下請いじめを受けて、大変な苦境に立たされているという点について、お伺いいたします。 こうした中で、公共事業をめぐる汚職や談合などの不正行為を防ぎ、公正な競争を促進するための「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」が成立し、四月から施行されます。 この間、我が党は、入札制度をめぐって、不正な談合疑惑や中小企業が受注すべき工事への大手業者の進入、下請代金の不当な切り下げ、下請業者への代金不払いなど、多くの問題を指摘してきました。適正化法によって、どう改善が図られ、今後、どんな課題が残されるのかについて、お尋ねします。 中小企業対策の最後は、生活密着型公共事業予算の拡充についてです。 学校や児童福祉施設、公営住宅、上下水道、一般道路などの整備、改修・修繕など日常生活に密着した公共事業は、中小業者の仕事確保に直接つながる大事な仕事です。公共事業の重点をこの方向に転換すべきことは、これまで何度も提案してきましたが、この間、どう取り組まれ、今後、どうされるか、お考えをお尋ねいたします。 二つ目に、私は、二十一世紀の県民の生存と生活基盤にかかわる問題について、お伺いしたいと思います。 その一点目、児童虐待の問題についてお尋ねいたします。 ことし一月十八日、宇部市で二十七歳の若い母親が、虐待によって生後九カ月のいたいけな命を奪ってしまうという事件、私は三人の子供を産み育てた一人の母親として、大変ショックを受けました。 「ミルクを与えたが拒否し、泣きやまなかった」という原因も、日ごろは予防接種など欠かさなかった母親ゆえに、「突然の虐待が本当に信じられない」と周りの人たちも言っていました。そして、殺害した経緯にも驚いています。 幼児虐待の事例は山口県でも、平成十年度四十九件、十一年度百一件、そして今年度は一月末で百三件と、増加の一途をたどっています。加えて、児童相談所別に見ると、私の住む徳山管内では、この三年間、七件、二十二件、そして三十五件と、県内トップクラスです。 県も虐待防止対策事業を本格化させ、予算も昨年度千四百二十万円から、新年度千九百四十万円と三七%増となっています。しかし、私はまだまだ不十分だと思っています。 まず、何といっても、対策の中心となる児童相談所の体制を抜本的に強化することが必要だと思うのです。県内四カ所ある児童相談所は、平成十一年度には三千四百九十五件の相談に対応し、再三の緊急呼び出しも含め、二十四時間体制ともお聞きしています。人員と運営費の面で、抜本的な改善が必要ではないでしょうか。 次に、昨年度から宇部市で始まったネットワーク事業は、虐待の未然防止や早期発見、早期対応のための関係機関が連携するという意味で、大変有効だと思っています。今年度、次年度とあと二カ所をお考えのようですが、最近の発生件数の異常な増加と、徳山から東、岩国へという広い管内を考えると、ぜひ徳山児童相談所管内で緊急の取り組みが必要であると考えます。 三点目に、虐待を受けた子供たちを支援する、県内十カ所の児童養護施設のうち五カ所には、心のケアを行う心理専門員が配置されました。調べてみますと、すべて山口から西です。定員も最大である徳山の共楽園を初め、県東部地域への配置を心より求めると同時に、「公平」にと訴えたいものです。 また、代表質問で水野議員が指摘した母子生活支援施設が、徳山市、そして岩国市で休止しています。一刻も看過できないことです。 「必要に応じて、公営住宅への入居により対応している」との答弁でしたが、ぜひ再開に向けた協議が必要だと思っています。 以上、私の四点の提案についての見解をお伺いいたします。 そして、大きい項目で次は、産業廃棄物処理場問題について、環境の観点からお伺いいたします。 過日、私は、下松市笠戸の住民から通報を受けて、新笠戸ドックの「自家用小型焼却炉」と、その周辺を視察してまいりました。 瀬戸内海国立公園にある約二キロ平方メートルの敷地内には、金属、廃車、タイヤ、焼却後の燃えがらなどが延々と積まれ、ふたもされていない「小型焼却炉」からは、もうもうと煙が吐き出されていました。塗料の空き缶やドラム缶類も小山のように積み置かれ、野焼きの状況も確認しました。 地元行政も頭を痛めているこの問題について、県も既に調査し、指導に入っているとお聞きしますが、状況をどう把握され、どのような指導を行っておられるのか、まずお伺いいたします。 新笠戸ドックは今、「環境開発事業」と称しまして、こういう事業計画書があるのですが、(提示)こういうものをもって環境開発事業と称して、同所に「ガス化溶融炉」を計画し、地元住民に同意を求めているようです。首都圏・大手ゼネコン可燃性建設混合廃材を燃料にし、周南地域の一般廃棄物の処理を行う計画で、処理量は一日二百トン、年間六万トンにも及ぶ大規模な施設です。 地元の人たちは、「ドックのことは何でも協力して支えてきたが、これだけは許せない」、「捨て場はどんどん広げられてしまう。島が灰だらけにされる」など、口々に嘆いておられました。 「ガス化溶融炉」は、まだ新しい技術でもあり、安全性も確としていません。しかも、そんな施設を国立公園の島に建設するなど、許されるものではありません。笠戸島を「第二の豊島」にしないため、県には、毅然とした対応が求められると考えていますが、どのように対応されるのか、お尋ねいたします。 三点目に、看護職員の問題についてお伺いいたします。 昨年、山口県医療労働組合連合会が、看護婦さん、助産婦さんを対象に「医療事故アンケート」を実施しました。その結果を見て驚いたのは、医療事故について八八%が「だれにでも起こり得ることと思う」とし、「医療ミスあるいはニアミスを起こしたことがある」とも、八二・三%が答えているのです。 そして、「事故防止に何が重要か」との問いには、「看護婦としての自覚、責任感を高めなければ」との思いとともに、「患者数や看護度にあわせて、看護婦の数をもっとふやし、ゆとりを持って仕事ができるように」、「夜勤も減らしてほしい」などの記述が並んでいます。 さて、国は昨年末、平成十七年までの「看護職員需給に関する見通し」を発表されました。それによると山口県は、平成十三年の需要数一万八千四百五十二人に対し、供給数は一万八千二百十八人で二百三十四名の不足、平成十七年では、需要数は一万九千三百十八人に対し、供給数は一万九千二百六十一人で五十七人の不足とされています。いずれも、現状を追認する数字としか見えません。 こんな「需給見通し」で、医療ミスの根絶のための看護職員の大幅増を願う、医療現場からの悲鳴、県民の願いにこたえられるとお考えなのか、まずお尋ねいたします。 「医療事故アンケート」を取り組んだ県医療労働組合連合会は、現場の声を集約した上で、「県内では三万二千八百八十九人の看護職員が必要」との対案を発表しています。 「元気県山口」を本気で目指されるのなら、この対案にこたえて、看護職員の大幅な増員に取り組まれるべきと考えますが、いかがですか。 また、そのためには、国に対し、看護職員の配置基準、診療報酬など制度の大幅な充実を求める必要がありますが、そのお考えはありませんか、お尋ねをいたします。 質問の大きな三つ目は、上関原子力発電所についてです。 国は昨年十月、強引に公開ヒアリングを開催しましたが、電調審への上程は行われることなく、終わってしまいました。省庁再編により、電調審にかわって、総合資源エネルギー調査会が、その役割を果たすことになると理解しているところです。 日本共産党県議団は、去る二月十九日、経済産業省へ赴き、今後の問題点などについて調査してまいりましたが、総合資源エネルギー調査会の運営については、まだ詳細が明らかになっていないとの説明でした。 担当職員との質疑の中で、とりわけ私たちが不安を感じたことは、新しいシステムでは、「知事意見を尊重する」という立場が明確にされなかったことです。 原子力発電所という、広範な地域に重大な影響を及ぼす施設の建設に当たって、地元の知事意見が尊重されない、などということがあってはならないことです。 新しいシステムのもとで、知事意見が十分に尊重されるよう、知事御本人から国に求められるべきですが、いかがでしょうか。 また、神社用地を含む用地取得の問題が解決されない限り、知事意見は出せないとする従来の知事の立場を改めて、確認させていただきたいと思います。 知事は、一月二十九日、中国電力からの環境影響評価の中間報告について、知事意見が基本的に尊重されていると考えている旨の結論を国に提出されました。 中間報告については、科学者の立場からは「批判に耐えることができない」不十分なものであるということが、日本生態学会中国四国地区会の「見解」などで指摘されています。 問題は、多面にわたりますが、私は二点、お聞きします。 まず一点は、庁内の検討会のあり方です。専門家のいない検討会で十分な論議ができたのでしょうか。専門家に意見を聞いたとのことですが、どのような意見が具体的に出されたのか、その論議はどうであったのか、お聞きします。 二点目は、スナメリについてです。 上関近海はスナメリの繁殖地域ではないかと言われているのですが、中間報告では、繁殖期における当海域の高度利用に対する評価が欠落しています。この点について、検討会では論議はなかったのでしょうか。もしあったのなら、どのような検討がされたのか、お尋ねします。 大きい四番目に、周南合併の問題についてお伺いいたします。 新聞報道によりますと、周南地域ではこれから、「県負担約百五十億円に上る産業会館」、「総額二千七百億円になる周南道路」、その他「下水道、区画整理などの社会資本整備」がメジロ押しと言われています。いずれも、周南合併と連動して語られているのが特徴です。新年度予算案には実際、「新たな交流拠点施設」、すなわち「産業会館」と、周南道路の調査費が計上されています。 地元の自治体、住民が合併問題について、何の結論も出していないにもかかわらず、また、県も市町も借金まみれの厳しい財政状況の折に、大型事業を前に、前にと進められるのはなぜですか。 また、これらの事業は、周南合併と同時進行で、合併が進まなかったら白紙になるというものですか、まず、その点をお聞かせください。 五番目は、徳山下松港の軍事利用についてです。 去る二月九日、徳山市の晴海埠頭に、米海軍佐世保基地所属の掃海艦パトリオットとガーディアンが接岸しました。埠頭では、平和団体などが抗議集会を開き、私もその一員として参加いたしました。 埠頭に立ったとき、私は思わず目を疑いました。「徳山港が軍港になってしまった」と思うほど、自衛隊の艦船が所狭しと接岸していたのです。 二月五日から十七日まで実施された、周防灘での日米共同掃海特別訓練に参加した海上自衛隊の掃海艦船十八隻が、すべて徳山港に入港していたのです。 掃海母艦「うらが」、「ぶんご」を初め、青森県大湊、京都府舞鶴、神奈川県横須賀、広島県呉、長崎県佐世保と、全国の掃海艦船です。私が調査したところ、海上自衛隊の掃海艦船は全部で三十四隻でしたから、この期間、その半数以上が徳山に集結したことになります。 九七年に日米で合意された新ガイドラインでは、自衛隊は機雷掃海を義務づけられています。徳山港は朝鮮半島に近く、瀬戸内海という安全な場所に位置しています。有事に日米の掃海艦船が出撃、休息、補給に使用するであろうことは、今回の状況から容易に推測できるものではありませんか。 徳山港は県下でも有数の民間港です。一県民、そして徳山市民として、徳山港の軍港化は絶対に許せません。 加えて、米軍掃海艦が接岸した埠頭は、徳山市の繁華街にほど近く、歩いて幾らもかからない距離です。沖縄では、最近、米兵犯罪が多く発生し、米兵の上陸に市民は大変な不安を感じています。 米艦船の入港は昨年に続いているもので、今回は二週続けての入港が予定されていました。米軍艦船の入港は港湾管理上、支障が生じるおそれがあることはもちろんですが、市民感情にも配慮し、民間港の軍港化はもちろん、米艦船の入港はきっぱりと拒否されるべきです。いかがお考えでしょうか。 次に、米軍岩国基地問題については、米空母艦載機によるNLP(夜間離着陸訓練)について質問します。 ことし一月二十九日、岩国市長の呼びかけにより、三沢、福生、大和、綾瀬、岩国の五市長、助役が初めて一堂に会し、本土でのNLP中止を求める声明を発表しました。 米軍は、先月、NLPを行いました。岩国、厚木などは予備基地に指定されましたが、とうとう今回の訓練では、本土の基地は使用されることなく終了しました。 地元自治体が再三、訓練中止を求めてきた成果であると思っています。 知事も、以前から岩国基地でのNLPには反対の立場を明らかにしておられますが、関係首長、住民のNLP反対の気持ちをしっかりと受けとめられ、今後、一層国、米軍に対し働きかけるべきと考えますが、いかがでしょうか。 そして、我が国でのNLP中止を確実なものにするため、米空母の横須賀・母港化に反対の立場を明らかにされるよう求めるものですが、知事の御見解をお伺いいたします。 次に、愛宕山開発についてです。 岩国市の愛宕山地域開発事業は、「岩国基地滑走路移設事業」と連動し、山口県、岩国市の要請によって、県住宅供給公社が主体となり、行われているものです。 新住宅市街地開発事業として取り組まれ、集合住宅約六百五十戸、一戸建て住宅約八百五十戸の建設が予定されていますが、今、地元で大変懸念されているのは、果たしてこの不景気の中で、これだけの住宅需要があるのだろうか、ということです。 この点について県当局は、どのような見通しを持っておられるのか、事業の進捗状況とあわせてお尋ねします。 最後に、先週三日、発売が始まったばっかりのサッカーくじについてお尋ねします。 サッカーくじは、「トト」という通称で大々的に宣伝され、「百円で一億円が当たる」というコマーシャルを一度は目にしていることと思います。Jリーグ十三試合のうち、勝ち・負け。引き分けを予想し、法外な賞金を手にする「ギャンブル」です。 理論上、一等の当選確率は百六十万分の一ですが、昨年、静岡県で行われたテスト販売では一万分の一、三等の確率は何と七十分の一という高さです。 こんな高い確率だと、子供たちは何らかの手段で買おうとするでしょう。全国六千二百店舗で始まった販売は、まさに「危険なキックオフ」です。 県内の販売箇所は七十四カ所。ガソリンスタンドのほか、青少年の出入りが多い大型スーパー、携帯電話販売店、カラオケ店、レンタルビデオ店、電気店などが含まれ、学校近くや通学途中の販売店も多いのです。 下関市、宇部市が十カ所、議長さんのおられる防府市が八カ所と続き、大型スーパーで販売しています。山口市では湯田中学校近くのカラオケ店、残念ながら私のいる徳山市でも、中心商店街の携帯電話販売店などで販売されています。 これでは青少年への影響ははかり知れません。だから、全国PTA連合会は、「青少年、子供たちの生活の場にギャンブルを持ち込むな」と反対し、新しいシーズン開始前のプロ野球の川島コミッショナーも、「スポーツが死ぬ。フェア精神が汚されます。スポーツ振興は本来、国や自治体が担うもの。スポーツ予算が少ないことこそが問題」と厳しい指摘をしています。 我が党は、十九歳未満の少年、子供たちの購入、譲渡は禁止されていることを周知徹底すること、二つ目に、学校周辺での販売は自粛するよう関係者に要請すること、三つ目に、販売状況の実態を調査し、青少年、子供たちへの影響について結果を公表すること、を当面の緊急課題だと考えます。 以上について、県教育長の御見解と警察本部の対応についてお伺いいたします。 以上で私の一般質問を終わります。どうぞよろしく御答弁のほどお願いを申し上げます。(拍手) ○議長(島田明君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) 三村議員の御質問にお答えを申し上げます。 最初に、雇用問題に関して、県職員についてのお尋ねでございます。 まず、現在の職員構成につきましては、全国同様、いわゆる団塊の世代と言われる年齢層の職員が、極めて多い状況にありますし、一方で近年の新規採用者につきましては、退職者の減少等から減少傾向になっております。 職員の構成につきましては、私も安定的な行政運営の確保等の観点から、各年齢層に大きな差のない構成が望ましいと認識をしておりますので、退職者の平準化を図る措置等により、新規採用枠の確保や年齢構成の是正に努めております。今後も、その努力は重ねてまいりたいと思います。 また、定員管理計画を見直し、新規採用をふやすべきではないか、とのお尋ねでございますが、現下の厳しい財政状況の中、社会経済情勢の変化や新たな行政課題に的確に対応するためには、適正な定員管理が求められております。 このため、平成十一年度から五カ年三%削減という定員管理計画を策定し、事務事業の見直し、組織の簡素効率化、OA化など、行政運営の一層の効率化に取り組みます一方、新たな行政課題など必要な行政需要に対しましては、積極的に定員の再配置を行っております。 今後とも、こうした計画のもとで新規採用の確保が図られるように、適切な採用・退職管理に努めていく考えでございます。 次に、生活密着型公共事業についてのお尋ねでございます。 お示しの学校や社会福祉施設、また県営住宅の整備や各種施設に係る修繕費など、県民生活に密着をした事業につきましては、これまでも厳しい財政状況の中で、中小建設業者等への配慮に努めながら、できる限りの予算措置を講じてきたところであります。 今後においても、同様に取り組んでいきたいと考えております。 次に、上関原電立地計画についてのお尋ねでございます。 まず、電調審にかわる総合資源エネルギー調査会において、知事意見が尊重されないのではないかという懸念があり、十分尊重されるよう国に求めるべきとの御指摘でありますが、国に照会をいたしましたところ、知事意見の位置づけにつきましては、従前と何ら変わっていないということでありました。 次に、知事意見の提出に関してのお尋ねでありますが、上関原電立地計画につきましては、これまでも申し上げておりますように、用地取得の課題が残っていると思っておりますので、その動向を見守っているところでございます。 ただ、総合資源エネルギー調査会への上程というのは、どこまでも、国において状況を総合的に検討した上で判断をされることでありまして、県としては、国から意見を求められれば、その時点の状況を踏まえて、これまで申し上げておりますような、いろいろな判断材料を総合的に検討し、対応する必要があると思っております。 次に、周南合併についてであります。 お尋ねの、新たな交流拠点施設や周南道路等につきましては、合併協議会でその必要性が論議をされ、地元からも県に対しまして、新市建設のリーディングプロジェクトとして推進するよう、強く要望されているところでございます。 県といたしましても、周南地域の中核都市形成は、県全体の活性化の上で極めて重要でありますことから、新市の拠点性、一体性を高める、これらの事業につきましては、厳しい財政状況の中にはありましても、地元の要望にこたえて、積極的に推進を図らなければならないと考えております。 このため、近く、新市建設計画が策定される段階に来ていることを踏まえ、新年度予算において、それぞれ事業促進に向けた所要の予算を計上したものであります。 また、これらの事業は合併と同時進行かとのお尋ねでありますが、地元において活発な御論議が展開をされている現時点では、地元の要望を踏まえ、合併の早期実現に最善を尽くすということが県の役割だというふうに考えております。 そのほかの御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○議長(島田明君) 前田商工労働部長。    〔商工労働部長 前田隆康君登壇〕 ◎商工労働部長(前田隆康君) 私からは、四点のお答えをいたします。 まず、緊急地域雇用特別交付金についての二点のお尋ねであります。 最初に、昨年の国の通達に基づく問題点と改善策についてであります。 お示しの通達にあります、「雇用創出効果の高い事業の実施」や、「特定の分野、委託先に偏らない事業の実施」などにつきましては、制度発足当初から、県の関係課や市町村に対して説明会やヒアリングにおいて、十分指導をしてきておりまして、制度の趣旨を踏まえた適切な事業が実施されており、特段の問題はないものと考えております。 次に、事業の継続、予算の増額等についてであります。 この事業は、厳しい雇用情勢に対処するため、あくまでも臨時、応急措置として、国において創設されたものであり、事業の継続、廃止は国の方針に従うことになります。 また、予算の増額や就労期間の要件緩和につきましては、昨年、国に対しまして、中国地方知事会で要望いたしております。 なお、雇用、就業機会の創出は、民間企業によることが基本でございます。県といたしましては、これまでも企業に対して雇用促進をお願いするなど、求職者支援に努めてきておりまして、県独自の失業対策は考えておりません。 次に、中小企業金融対策についての二点のお尋ねであります。 まず最初は、損失補償制度についてでございますが、現在の県の制度融資におきましては、経営安定資金を初め、政策性と保証リスクの高い三つの資金に、損失補償を設定をいたしておるところでありますが、来年度は、これに加えまして、県独自の措置として創設をいたします「経営支援特別保証制度」に損失補償を設定をすることにいたしております。 次に、平成十三年度の県制度融資の新規融資枠につきましては、平成十一年度、十二年度の融資実績をベースにいたしまして、本年度融資見込み額六百五十億円を上回る八百億円、これを設定をいたしております。 また、国の特別保証制度の廃止に伴います激変緩和措置といたしまして、経営支援特別保証枠二百億円を設けることにいたしておりまして、全体として融資の実効性を確保することができ、県内中小企業の資金需要に十分、対応可能というふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(島田明君) 西本土木建築部長。    〔土木建築部長 西本久之輔君登壇〕 ◎土木建築部長(西本久之輔君) 入札契約適正化法に関連してのお尋ねにお答えいたします。 この法律は、公共工事の入札・契約の適正化を促進し、公共工事に対する国民の信頼の確保と、建設業の健全な発展を図ることを目的に、本年四月一日から施行されます。 県においては、公共工事改革推進委員会において、法律の施行に伴う新たな課題について、検討しているところですが、発注予定工事の公表範囲の拡大及び指名理由や契約の内容等、公表項目の追加により、入札契約制度の透明性の向上が図られるほか、工事施行時の体制を確認する対策の強化等により、お示しの元請・下請関係についても、より一層の適正化が図られるものと考えております。 また、今後の課題としては、国が策定する入札及び契約の適正化を図るための指針が示されている、第三者機関によるチェック体制の整備や、不正行為の排除対策の強化等を考えていますが、これらについても公共工事改革推進委員会において、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。 今後とも、この法律の趣旨を踏まえ、入札・契約制度の透明性、公平性、競争性の確保に取り組んでまいります。 次に、自衛隊の艦船及び米軍掃海艦による徳山下松港の使用についてのお尋ねにお答えします。 まず、自衛隊の艦船につきましては、物資の補給等のため、県条例に基づき入港したものであります。 一方、米軍掃海艦につきましては、給水等のため、日米地位協定に基づき入港したものであります。 この地位協定は、日米政府間で取り決められたものであり、地方自治体としましては、基本的にはこれを尊重する立場にあり、県としては、地位協定に基づく港湾の使用はやむを得ないと考えておりますが、港湾本来の機能に支障が生じることがあってはならないと考えております。 このため、従来から港湾の使用は必要最小限とし、安全対策に万全を期するとともに、地域の経済活動等に支障を与えることのないよう、十分配慮することを米軍に要請するよう、国へ求めてきております。 また、今回の米軍掃海艦の徳山下松港使用に当たりましては、二週連続して入港するとの事前通告を受けたことから、国に対して文書により同様の要請を行ったところであります。 今後とも、自衛隊及び米軍による港湾の使用に際しては、港湾本来の機能や地域経済活動等に支障が生じることのないよう、円滑な港湾管理に努めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(島田明君) 藤井健康福祉部長。    〔健康福祉部長 藤井俊彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(藤井俊彦君) 私から、児童虐待と看護職員の需給見通しについてのお尋ねにお答えいたします。 最初に、児童虐待についての四点のお尋ねであります。 まず、児童相談所の運営につきましては、今年度から各児童相談所に児童虐待に対応する児童家庭アドバイザーを配置し、来年度においては、新たに中央児童相談所の一時保護所に心理職員を配置するなど、その体制強化に努めますとともに、来年度の児童相談所の予算につきましては、厳しい財政状況の中、所要の予算額を確保したところであります。 今後とも、児童相談所が児童虐待対応の中核的専門的機関としての役割が果たせるよう、適切な運営に努めてまいります。 次に、児童虐待防止市町村ネットワーク事業につきましては、来年度予算において、今年度から実施しております宇部市に加え、新たに二カ所で実施することとしております。 県といたしましては、地域の状況や実施主体であります市町村の意向を踏まえ、進めてまいります。 次に、児童養護施設に入所している児童の心のケアにつきましては、施設に対し、心理療法担当職員の配置の拡大について必要な指導・支援を行うとともに、必要に応じ、児童相談所の心理職員が訪問してカウンセリングを行うなど、その充実に努めてまいります。 次に、母子生活支援施設につきましては、利用者の減少などから、現在、県内五施設のうち二施設が休止中でありますが、他の開所中の施設への広域入所や、公営住宅への入居等により対応しているところであります。 今後とも、県といたしましては、利用者のニーズを踏まえまして適切な対応を図るよう、関係市に対し指導・助言してまいります。 次に、看護職員の需給見通しについてのお尋ねにお答えいたします。 本県におきましては、看護職員就業者数は、現在の「看護職員需給見通し」に沿って、順調に推移してきておりまして、平成十二年の最終目標数、一万七千七百三十三人を達成できる見込みとなっております。 さて、この現在の需給見通しが、平成十二年末をもって終了いたしますことから、今後の看護職員の計画的かつ安定的な確保を図るため、国の策定方針に基づきまして、「山口県看護職員確保対策協議会」の意見も聞きながら、新たな需給見通しを策定したところであります。 この策定に当たりましては、県内の医療機関等の調査によります実態を反映いたしますとともに、看護体制の充実、勤務条件の改善、また介護保険の対応などを図るため、今回の医療法改正に伴います新しい人員配置基準等を前提とし、夜勤体制については、国の基本方針に基づき算定するとともに、産前・産後と育児休業の全員取得、介護休業等に必要な需要、さらに介護保険の運営に伴う需要増などを見込んで、平成十七年の需要見通しを一万九千三百十八人といたしたところであります。 今後、県といたしましては、この需要見通しに沿った看護職員の確保を図るため、県内の看護婦養成所等におきます計画的な人材育成に努めます一方、県のナースバンク事業の再就業の掘り起こしなどの強化による定着の促進、さらには、職場環境の改善や看護職員の資質の向上に一層取り組んでまいります。 また、看護職員の配置基準や、診療報酬等の医療制度につきましては、国におきまして検討されるものでありまして、県といたしましては、今後の状況を見ながら、必要に応じ国に対して働きかけてまいります。 以上でございます。 ○議長(島田明君) 小倉環境生活部長。    〔環境生活部長 小倉淑夫君登壇〕 ◎環境生活部長(小倉淑夫君) 私からは、株式会社新笠戸ドックの産業廃棄物処理問題、そして、上関原電の環境影響評価についてお答えを申し上げます。 まず最初に、株式会社新笠戸ドックの産業廃棄物処理問題について、二点のお尋ねにお答えをいたします。 まず、新笠戸ドックの産業廃棄物処理に関する、県の状況把握と指導についてでありますが、本年二月に、徳山環境保健所が実施いたしました立入調査により、木くずなどの焼却炉の構造の不備や、燃えがらの保管等が適正でないことが、確認されたところであります。 このため、保健所は、直ちに新笠戸ドックに対し、指導票により早急な改善を指示したところでありまして、現時点では、焼却炉については使用を中止し、野積みの燃えがらにつきましては、自社処分場で適正に処分されていることを確認をいたしております。 今後とも、産業廃棄物の適正な処理が行われるよう、監視・指導を一層強化していくことといたしております。 次に、新笠戸ドックの「環境開発事業」についての県の対応についてでありますが、昨年十二月に、保健所に対し、廃棄物処理施設や最終処分場の設置計画等の概要について、説明がなされた段階でありまして、「山口県産業廃棄物適正処理指導要綱」に基づきます事業計画書は、まだ提出されておりません。 今後、事業計画書の提出等により、事業者の計画推進の意思や事業計画の内容が具体的に明らかになれば、県といたしましては、生活環境の保全への配慮や、地元のコンセンサスが必要であるとの基本認識のもとに、地元市等との意見を聞くとともに、自然公園法等関係法令の整合を図りながら、指導要綱や廃棄物処理法に基づき、適正に対処していく考えであります。 次に、上関原電環境影響評価中間報告に係る庁内検討会についてのお尋ねであります。 まず、庁内検討会で十分な論議ができたかとのお尋ねについてであります。 庁内検討会は、中間報告が、さきに通産大臣に提出しました知事意見が尊重されているかどうかを確認するために、関係の専門技術職員等により設置したものであります。 この検討会を六回開催するとともに、万全を期すため、さらに環境影響評価技術審査会委員の方々の意見を聞くなど、十分な論議を行ったところであります。 次に、専門家から具体的にどのような意見が出されたかについてでありますが、一部の委員の方から、動植物の定量的な把握が必要であり、結論は短絡的であるとする意見や、ハヤブサの繁殖失敗原因の詳細な究明、あるいはスナメリの個体群の広域的な範囲における把握の必要性、当地域におけるナメクジウオの生息実態に関する意見などが出されましたが、全般的には「調査はよく行われている」との評価でありました。 また、現行制度においては、動植物の定量的な予測、絶滅リスクの評価など、研究課題となっているようなものや、スナメリの瀬戸内海全域にわたる調査など、現実的に調査等が難しいものまで、今回のアセスにおいて求めることはできないのではないか、との議論もなされたところでございます。 こうした論議を踏まえ、事業者は、スナメリ等に関する専門家の指導・助言や、国の技術指針、科学的文献等に基づき調査を行っているとして、技術審査会委員の方々からは、中間報告について「おおむね妥当」との評価をいただいたところであります。次に、スナメリの繁殖期における当海域の高度利用の評価についてでありますが、中間報告について検討会では、周辺海域でのスナメリの繁殖期を含めた季節別の確認状況、スナメリのえさとなる魚類等の漁期、漁場との関係及びスナメリの環境耐性、回遊行動など高度利用についても、文献等を踏まえ、可能な限り検討を行い、繁殖期を含めスナメリはえさを求めて回遊し、一定海域に定着しないと考えられるとしたところであります。 以上のように、検討会及び技術審査会委員の方々の論議を踏まえ、中間報告は、知事意見が基本的に尊重されていることを確認したところでございます。 以上でございます。 ○議長(島田明君) 吉冨総務部理事。    〔総務部理事 吉冨克史君登壇〕 ◎総務部理事(吉冨克史君) 米軍岩国基地のNLPについてお答えいたします。 周辺住民に耐えがたい苦痛と不安を与えるNLPを、岩国基地で実施することは容認できないというのが、県議会意見書の趣旨を踏まえた、県としての基本的な立場でありますので、今後とも、地元岩国市や由宇町とともに、国や米側に対し、岩国基地でNLPを実施しないよう、機会あるごとに要請していくとともに、渉外知事会関係県とも連携しながら、岩国基地を含む本土の基地でNLPを行わないことを日米間の合意事項とするよう、求めてまいりたいと考えています。 なお、米空母のいわゆる母港化につきましては、国が我が国の平和と安全を守るために進めている防衛政策にかかわる問題でありますので、国レベルにおいて論じられるべきものと考えております。 次に、愛宕山地域開発事業についてお答えします。 まず、事業の進捗状況ですが、この事業は、平成六年度に基本設計に着手し、御案内のとおり、平成十年三月に、新住宅市街地開発事業の認可を受け、事業を進めています。 現在は、一次造成工事を施工中で、これまで岩国基地沖合移設事業の埋立用の土砂として、計画量に対し、約一三%に当たる三百万立方メートルの土砂を供給しております。 次に、住宅需要についてですが、愛宕山地域開発事業においては、宅地分譲を平成十八年度から開始する計画としているところですが、岩国市における最近の新規住宅着工戸数の動向から見ても、人口動向を勘案した住宅需要予測から見ても、本事業の計画戸数は妥当なものと考えております。 しかしながら、実際の分譲開始までにはまだ期間もあることから、今後の経済情勢等には十分留意していく必要があると考えております。 以上であります。
    ○議長(島田明君) 牛見教育長。    〔教育長 牛見正彦君登壇〕 ◎教育長(牛見正彦君) 私からは、二点のお尋ねにお答えを申し上げます。 まず、雇用問題に係る教職員の現状と教職員定数についてのお尋ねでございます。 近年、少子化による児童生徒数の減少に伴いまして、全国的に教職員の採用数が減少し、平均年齢が高まってきているところであります。 こうした状況の中で、学校においては、年齢バランスのとれた教職員構成が望ましいことから、本県では、これまでも、国の教職員配置改善計画に沿った定数改善を図り、可能な限り採用数の確保に努めてきたところであります。 しかしながら、教職員定数が児童生徒数をもとに算定されることになっているため、ここ数年間は採用数の減少が進み、若い教員が少なくなっている現状にあります。 次に、教職員の定数増についてでありますが、来年度から実施されます国の次期改善計画におきましては、学級編制基準の改善は見送られたものの、少人数授業のための教員の新たな配置等が示されたところであり、県教委といたしましては、この改善計画に沿いまして、今後とも、教職員定数の確保に努めてまいりたいと考えております。 次に、サッカーくじの販売についてのお尋ねであります。 サッカーくじは、子供たちからお年寄りまで、だれもが身近にスポーツに親しめるスポーツ環境の整備や、我が国の国際競技力の向上など、新たなスポーツ振興政策の実施に必要な財源を確保するため、「スポーツ振興投票の実施等に関する法律」に基づき実施をされるものであり、今月三日から、全国販売が開始されたところであります。 御承知のとおり、十九歳未満の者によるくじの購入、譲り受け、また、その者への販売は法により禁止されており、このことにつきましては、くじの実施主体であります「日本体育・学校健康センター」において、関係機関や報道機関を通じた周知が図られているところであります。 また、販売に当たりましては、研修を受けた販売員が対面で行い、必要に応じて、身分証明書等の提示による年齢確認を行うとともに、販売監督者等による巡回指導により厳重なチェックを行うなど、二重、三重の防止策が講じられているところであります。 こうしたことから、お示しの数点については、県教委といたしましては、サッカーくじの販売などにおいては、適正な運用がなされるものと考えており、制度がスタートして間もないことから、今後とも、関心を持って見守ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(島田明君) 山浦警察本部長。    〔警察本部長 山浦耕志君登壇〕 ◎警察本部長(山浦耕志君) サッカーくじ販売への県警察の対応についてのお尋ねですが、サッカーくじは、十九歳未満の少年による購入、譲り受けは禁止されております。 県警察におきましては、少年の健全育成の観点から、関係機関・団体と連携し、販売店に対する年齢確認の徹底の指導や、交番、駐在所のミニ広報誌等による広報啓発活動を積極的に実施して、違反行為の取り締まりを徹底してまいる所存であります。 ○議長(島田明君) 三村真千代さん。    〔三村真千代さん登壇〕(拍手) ◆(三村真千代さん) 順番不同になりますが、二回目の質問をさせていただきます。 まず最初に、融資の問題について、どうしてもお伺いしておきたいと思います。 御存じのように、中小企業保証制度の審査方法について、昨年十二月二十五日に経済産業省が通達を出しています。それによって審査方法については、経済条件の変更、保証人について、そういう三つの点について大きく緩めてきているわけです。 例えば、こんな場合にも保証対象にするよという中に、大幅な欠損金が生じていること、大幅な繰越欠損金が生じていること、債務超過、過去に税金を滞納している、保証協会に第三保証人としての求償債務を有している、直近三カ月以内に企業債務の延滞履歴がある、企業債務の条件変更を行っている、高利借り入れを利用している  商工ローンですね、そういう人たちにも保証対象にしますよと、そういうふうなほどに広げてきたんです。 なぜかといえば、中小企業を今、救済したいからです。まあ国は大企業ばっかりとか、そういうとこだけを優遇するという批判を免れなければならないし、本来に立ち返ったとも言えます。 そういうことを保証協会にしっかり実行しろというのが、県の方の指導だと思うんです。 それと同時に、私が求めたいのは、今、国もこういうふうにして支払い延伸という、特別枠についての支払い延伸制度も今回とっていますが、特別融資制度が出ましたね、あれに特例措置に対する支払い延伸も受け入れるよ、ということも出ました。 県が、なぜ無担保無保証人貸し付け  無担保無保証貸付制度をつくりながら、それにもしものことがあったときの補償をするということをしないのか。それをしないから、それは幾らでも、全然金融機関は貸しません、無担保、保証人なしで保証協会は「ゴー」を言いません。 そういう状況を免れなければ、つくっていないのと同じなんですよ。無担保無保証人借り入れというのは、借り入れるちゅうのは物すごく業績のいいところになるから、そんなの今、中小業者の中ではないのです。 そういうことになりますので、ぜひとも借りれるようにしてほしい。そのために私は、ベンチャー企業にばっかり優遇しているのではなくて、そういう本当に今、もう一遍立ち上がりたいと思っている人たちの救済が必要だというふうに、申し上げたつもりでございます。 それと、そのことについて、お答えをいただきたいのです。 それから、求人の問題につきましては、山口県がやってくださった緊急地域雇用特別基金関連事業のことですけれども、結局は六カ月そこへ派遣して、働いてもらったけれども、そのままそこへ就職できるというわけにはいかなかった。そういう成果に結びついた例というのがないんですね。そして、これについては国も好事例を、全国の好事例を挙げまして、部局の方にも届いてるし、私も見せてもらいました。好事例に学んで最後の一年頑張れ、というふうに言ってるんだと思います。 ですから、好事例に学ぶと同時に、引き続き国にやってほしいということを言われることが大事だと、私は思っているわけですが、その点についていかがですか。 それから、虐待問題についてです。 私は、この虐待の問題については、大変一面的な側面からだけの対応ではできないなと思ったんです。 先ほど申しましたが、母子寮というのが徳山と岩国で閉鎖されたとき、それはもう母子が市営住宅で自立できる、生活保護をとれば自立できるからということで、閉鎖してしまっている例が多いのですが、今回、この虐待問題があらわれたときに、ちょっと見ましたら、児童福祉法第二十三条、母子生活支援施設入所の措置というところに、「都道府県、市及び福祉事務所を設置をする町村は、それぞれの設置する福祉事務所の所管区域内における保護者が、配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子であつて、その者の監護すべき児童の福祉に欠けるところがあると認めるときは、その保護者及び児童を母子生活支援施設に入所させて保護する措置を採らなければならない。ただし、付近に母子生活支援施設がない等やむを得ない事由があるときは、適当な施設への入所のあっせん、生活保護法の適用等適切な保護を加えなければならない」と、こうなっているのを見つけました。 私は、母親の虐待が多いというのも聞きますが、しかし、母と子が、本当に母が立ち直って、子供を手元で育てながらやっていくのでなければ、母親の人生も子供の人生も変えることはできない、というふうに思うんですよ。 ですから、一緒に暮らしているところもある、という説明にはありました。それで時々、児童相談所から行ってみるんだって、一遍指導を受けた人は。 そういうふうに日中、行ってみるというような指導じゃなくて、本当に大切なのは、そういう母子施設の中で、ちゃんと二十四時間相談に乗ってくれる人がついていて、育児ノイローゼになりそうだと思っている人とか、幼いころ虐待を受け続けてきて、そして、つい感情的になって自分も児童虐待に走ってしまう、ということわかるような気持ちの、自分で認識している人もいるわけですが、いろんなお母さんたちに対応し、二十四時間の対応を三百六十五日続けていく中で、親と子が育っていく。そういう形をとるために母子寮は必要だったんだ、ということを改めて思ったんです。 ですから、今、ないのなら、無理を言うと言われるかもしれませんけど、閉めているだけですから、あけていただいて、人を配置していただいて、ちゃんと児童虐待の問題にも対応できる施設として、リフレッシュさせて立ち上がらせていただきたいと思います。 子供の問題は猶予がありませんし、子供だけの問題ではなくて、親たちの問題でもあります。深い傷を抱え、深い悩みを抱えている親のそばにいる、そして、切実に命の切迫したところまでに追い込まれている子供たちのことを考えたとき、二十四時間守られる、母と子の体制というのは、どうしても欠くべからざるものだと思いますので、ぜひにお願いをしておきたいと思います。 それから、看護婦の問題ですが、看護婦は決定的に不足しています。 県が、幾ら「一万何ぼ一万何ぼ」と言われても、決定的に不足しています。県民が病院に行って、看護婦さんの状況を見ているとわかります。そしてまた、労働者の訴えの中でわかります。十六時間一睡もできない夜勤勤務とか、一カ月に九日を超える夜勤勤務とか、そういうことがざらになったり、突然休む人が出たら、そのまま続けて出なきゃならなくなったり、そういう状況なのにもかかわらず、「看護婦さんは不足しない」と言ったり、また今の数字を出されたりしているのは、私は不可解というか、摩訶不思議と思います。 国も、五年を待たずに数字を変えてもいい、というふうに指導していますね、文書が出ていますね。十七年に見直すのですけれども、諸般の状況を見るときに、五年を待たずに数字を変えるということもやぶさかでない、というふうに言っています。 とならば、山口県も、もっと真剣に数合わせをするのではなくて、本当に医療現場の声を聞いて、大丈夫か、医療ミスが起こるような過密労働や疲れ切った、そういう状況に追い込んでいないかということも、看護婦さんから真剣にアンケートをとられるなり、お医者さんから事情を聞かれるなりしていかれる、という賢明な措置をとっていただきたい。 見直しもすることもあるという、その一行を私は生かしていただきたいというふうに思います。これは要望ですが。 それから、合併問題について伺っておきます。 産業会館の百五十億、高規格道路、湾岸道路ですか、二千七百億でしたか、これについて本当なのだろうか。もしやられるなら、それは市・県・国でどれだけの負担割合になって、行政はどれだけの借金を抱える、地方自治体はどれだけの借金を抱えることになるのだろうか、というのをぜひ聞いてくれというふうに、市民の方から御連絡をいただきました。 私は、まだはっきり調査段階だと答えはしたんですけれども、それでも、ここで聞いて帰らなければならないと思っておりますので、市町村が一体どれだけ、これで借金をかぶって、また、合併特例債によって全然借金はないよと言われながらも、二百五十五億も周南地区の試算によれば、かぶらなきゃならなくなるような、そうすればその上にかぶせてこの事業が来て、まだ公共事業も、下水道も区画整理までやるんだよ、社会整備をどんどんやるというようなことになってきますと、私はこういうふうなことを言っている現状が問題なのか、合併した後こういうふうにやっていくことが問題なのか、わからなくなってきます。 正確な情報を御登壇の上、お与えくださいますれば幸いと思っています。 それから、時間がまだありますので、言い漏らしましたが、中小企業向け制度融資の融資期間延長措置の問題についてです。 県の制度について、国に倣って、すべての県の中小企業向けの融資について、二年間の延長をされるということを、この際、決断されてはいかがかというふうに提案を申し上げます。 それから、先ほど申し上げました、ガイドラインの問題ですが、保証協会へしっかり御指導をいただくということと同時に、金融機関が「知らない」と言うんです。金融機関が知らないので、保証協会から聞いて金融機関へ行っても、金融機関が「そんなことはできません」って言うんだそうです。その点について、金融機関にも周知徹底を行政の方から図っていただきたい、そういうことをお願いをいたします。 それから、入札問題のことで、ちょっと若干ありましたが、実は、下請の権利を守る問題について、私どもは、末端まで元請の契約条項の支払い条件がそのまま、末端まで守られているかどうかを追跡して調査しなきゃいけない、とずっと思っているわけです。そうしなければ、孫請、ひ孫請に支払われなかったということを救えないんです。 契約がきちっと交わされているか、きちっとしなければならないと考えていますが、その点について、県は、手を加えていく気があるかどうか。 それからもう一つ、小規模事業をたくさん始めたところがあります、小規模発注を。それは随契でやれるというのですが、その小規模事業制度を実現している都道府県がたくさんありますが、山口県はそれを実施するという決断はなさいませんか、そのこともお伺いをいたします。 済みません、あちこち行きますが、時間が足らないと思って焦ったものですから……。 心理専門員ですけれども、児童相談所、じゃなくて児童虐待の問題ですが、西側ばっかりです。徳山にぜひと言ったのですが、お答えがいただけてませんでした。これは徳山は一番大きい共楽園という施設がありますが、そこにぜひ配置していただきたいというふうに思っております。 それから……(「すべて西高東低でええのか」と呼ぶ者あり)そういうことですね。本当に児童虐待だけでなくて、かねがね県議会に出て思っておりましたが、ほとんど西高東低なのだと認識しております。 それで、児童虐待については、それを看過できません。この点についてはもうきちんと平等に、岩国にも児相をつくるし、そこにもスタッフを配置するし、そして、すべての施設にきちんと心理相談員を置くし、それから母子寮を再建する、そのことをお約束をいただきたいと思います。 もう一つ、私は最後にお願いをしたいのですが、原発の問題です。 原発の問題で知事は、土地の問題があるからと、しっかりひっかかっているというこことを表明されましたので、一つ確認をさせていただきましたが、もう一つは、環境影響調査中間報告ですが、あれを審査会を開かなかったのはなぜだろうかというふうに私思っているんです。 先ほどやじの中で、「おおむねちゅうことはなかろう」という声が聞こえましたが、科学者ならおおむねという言葉は使わないんですよ。科学者が審査会を開いて、きちんと意見を出すときに「おおむね良好」というような科学的な意見はないわけで、それが非常に問題だと私は思っています。 審査会から出した報告について、追加調査が来たわけですから、審査会がいいよというので出したものについて、追加調査が来たわけですから、その追加調査をしたのを審査会にかけて、それでこういうふうに、中電はまた調査しましたよとやらなければならなかった、そういうふうに思っていますし、今後、こういうふうに大事につくられた審査会がおざなりに、こういうの何て言うんですかね、集まらずにやる  回しただけなんですよね。それで、そういう委員長さんにだけ言ったとか、全部に回したとか、どうなのかはっきりしませんが、こういうやり方は以後、絶対行ってはならないルール違反なのだと思いますが、その点についてきちっとお答えをいただきたいと思います。 以上です。(拍手) ○議長(島田明君) 前田商工労働部長。    〔商工労働部長 前田隆康君登壇〕 ◎商工労働部長(前田隆康君) 私からは、二点についてお答えをいたします。 最初は、中小企業の金融対策についてでございます。 無担保無保証人制度への損失補償の設定につきましては、信用保証協会に積極的な保証対応を促し、中小企業金融の円滑化を図るという観点では、効果的でありますけれども、代位弁済になった場合は、損失の一部を県費で補てんすることになりますので、慎重に対応していく必要があるというふうに考えております。 今後、こうした考え方をもとに、金融情勢や中小企業を取り巻く環境の変化に応じまして、絶えず制度の見直しをしていく中で検討していくことにしたいと考えております。 それから次に、緊急地域雇用特別交付金についてでございます。 この事業は、どこまでも次の就職を見つけるまでのつなぎ雇用でございまして、この事業によってその次の雇用を確保するものではない、ということは御理解をいただきたいと思います。 十三年度事業につきましても、通達等に基づきまして、適切な事業を実施するよう指導していきたい、と考えております。 以上でございます。 ○議長(島田明君) 瀧井企画振興部長。    〔企画振興部長 瀧井勇君登壇〕 ◎企画振興部長(瀧井勇君) 新たな交流施設、あるいは周南道路、こういったものの地元の負担割合という御質問でございますけれども、こういった御指摘の新たな交流拠点施設あるいは周南道路、こういったものの事業費については、現段階ではまだ計画段階と入っておりますので、まだ未定であります。 なお、これからこういったものの調査なり基本構想なりを進めてまいります中で、そういったものも明らかにしてまいりたいと思っております。 なお、合併特例債につきましては、標準事業費の九五%充当と、それに対する後の地方交付税措置は七○%となっておるところでございます。 ○議長(島田明君) 藤井健康福祉部長。    〔健康福祉部長 藤井俊彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(藤井俊彦君) 児童虐待等につきまして、いろいろな点の御要望とか御質問がありましたけども、お答えいたします。 「西の方」がというような話もございましたけれども、私たちは地域の状況や市町村、それから関係機関等の意向を踏まえまして、現在まで対処してきているところでございます。 特に児童相談所におきましては、相談事例の迅速な対応等々を図るために、岩国市の方に徳山児童相談所の児童判定員、それから児童福祉司、そして、児童家庭アドバイザー各一名を、岩国の健康福祉センター等に配置して対応しているところでもございます。 また、施設におきます心理療法担当職員の件につきましても、関係機関の意向等も踏まえまして対応しておりますけれども、今後、その配置の拡大に向けまして、先ほど御答弁申し上げましたように、指導・支援してまいりたいと考えております。 今後とも、地域の実情やニーズを踏まえまして、市町村、関係機関と連携をとって適切に対応してまいります。 以上でございます。 ○議長(島田明君) 小倉環境生活部長。    〔環境生活部長 小倉淑夫君登壇〕 ◎環境生活部長(小倉淑夫君) それでは、私からは、なぜ技術審査会を開かなかったかと、こういう御質問にお答えを申し上げます。 技術審査会は、条例規定では環境影響評価の準備書において、知事意見を形成するときに意見を聞くとされているわけでございまして、このたびの中間報告は、準備書が提出された後に通産大臣が勧告で求めている調査結果について、評価書作成前に国が行政指導によって提出を求めたものでございまして、アセス制度上、準備書以後につきましては、意見を述べることとされていないわけでございまして、技術審査会の開催ができなかったものでございます。 中間報告については、さきの知事意見が尊重されているかどうかの観点から、確認することとして庁内検討会により確認、検討を行ってまいったわけでございまして、また、検討に万全を期すために、審査会の委員の方々の御意見を聞くこととしたところでございます。 以上です。 ○議長(島田明君) 西本土木建築部長。    〔土木建築部長 西本久之輔君登壇〕 ◎土木建築部長(西本久之輔君) 下請問題と小規模工事の発注についてのお尋ねにお答えします。 まず、県工事を発注しました特定建設業者は、建築執行時にあって四千五百万円以上、その他の工事にあって三千万円以上の工事を下請に出した場合には、県に対して下請届を提出させています。 その提出範囲は、現在は一次下請のみですが、この法律の施行によりまして、一次下請だけでなくて二次下請以下すべての下請関係に拡大する予定であります。 それと、小規模工事の発注につきまして、これは従来から公共工事の発注につきましては、県内建設業者の優先発注を基本方針としております。 今後とも、この工事内容とか現場条件、それからコスト縮減等にも勘案しつつ、可能な限りの分離発注、分割発注を行うとともに、中小建設業者の受注機会の確保に努めてまいります。 以上であります。 ○議長(島田明君) 関連質問の通告がありますので、持ち時間の範囲内において、発言を許します。久米慶典君。   〔久米慶典君登壇〕(拍手) ◆(久米慶典君) 三村議員の関連質問を行います。 最初に、米軍岩国基地の問題について質問いたします。 本年一月、焼津市上空で起きた民間航空機同士のニアミスは、一歩間違えば大惨事となるところでした。原因は管制官のミスとされていますが、その背景には、いまだ日本の空には米軍管理の広大な空域が残されていることが指摘をされているところであります。民間機は自由に飛べるところが少なく、大きな制約の中で飛行しているのであります。 米軍が管制をしている空域、それは全国で三カ所、嘉手納基地、横田基地、そして岩国基地であります。そして、それぞれの空域であります。 嘉手納については、昨年、地元からの強い要望もございました。アメリカは返還を明言いたしました。横田空域については、石原東京都知事が最近、とみに強力に返還を求めてアピールし、大きな波紋を社会的に広げているところであります。 ところが、最後の岩国空域については、多くの県民が存在することすら知らない。山口県も何ら対応をしていないというのが実情であります。 というのも、岩国空域を記した公の地図がなく、いわば秘密に覆われた空域だからであります。 そこで私は、地図をつくってまいりました。(提示)初めてごらんになる方も多いと思うんですけれども、これは管制官が加わっている労働組合、全運輸省労働組合が出している図をもとに、私が作成をしたものであります。赤い線で囲まれた部分が岩国空域であります。北は日本海から、そして南は四国山地まで、県としては島根、広島、愛媛、山口四県にまたがっております。山口県では岩国、玖珂を中心に、美和町、錦町、田万川町、柳井市、大島郡、こういったところまでがすっぽり入っております。 ちなみに、この北西の部分は高度が二万三千フィート、約六千九百メートル、この円柱のところはおおむね一万フィート、三千メートル、そして、この南西の部分は一万五千フィート、約四千五百メートル、これだけ広域な広大な空域が米軍の管制下にもたれている。皆さん方が住んでいる上空も、米軍の管制、すなわち、米軍が占領しているというところが、今の実態であります。 全運輸省労働組合が出版している「航空フォーラム」七十号には、岩国空域が、いかに民間機の安全とサービス面で大きな支障をもたらしているかが、記載をされております。 松山空港への進入管制を米軍が行っていること、広島西飛行場も米軍との調整が必要なこと、そして、この空域を通過しないように民間機が大変な制約を受けていることなどであります。 私たちがよく利用します宇部 東京間、これを結んでいる航路も、実を言いますと、この空域を避けて設定をされているため、随分と窮屈なものになっている、そのことも指摘をしておきたいと思います。 もとより政府においては、このような他国による管制が世界でも他にない異常な状態であることは、十分に承知をしております。既に「返還を求める正当な理由がある」として、日米合同委員会の分科会において、岩国も含め、米軍管制空域の返還をアメリカに求めているところであります。 ところがアメリカは、これを拒否している。日本の管制能力の量・質の向上と、戦後五十六年たった今の政治状況を見るとき、アメリカの対応は全く道理のないものであります。米軍が進入管制を行っている岩国空域の存在は、主権侵害です。民間航空機の安全な飛行に、重大な支障をもたらすものであります。知事は、岩国空域が返還されて当然と考えませんか、お聞きをいたします。 知事は、岩国基地の軍民共用化に前向きに取り組まれるとのことですが、私は岩国空域が大きな障害になり、たとえ軍民共用空港が実現しても、この空域をこのままにしておいては、民間機の安全とサービスに重大な影響を与えるものと考えます。知事は、軍民共用空港再開に、岩国空域の存在が影響を及ぼすものとお考えでしょうか、お聞きをいたします。 また、岩国空域の問題については、多くの不明の点もございます。山口県としても、今後、十分な研究が求められていると思いますが、知事の見解をお伺いいたします。 私は、この空域の返還を目指して、国民的な大運動が今、求められていると考えるものであります。 あわせて石原都知事のように、返還に向けたアクションを起こされるお考えはないか、お伺いをいたします。 基地問題の二点目は、クロゴケグモについてです。 この毒グモは、基地内でしか現在のところ発見されていませんが、発見場所は代表質問で水野議員が示したように、岩国市の住宅地の目と鼻の先に迫ってきております。 山口県は、昨年十一月七日、「基地外でのクロゴケグモの生息の可能性は低い」という見解を発表しておられます。しかし、その後の状況の変化にかんがみて、この見解は現時点では妥当ではないと考えるものであります。この見解については撤回されることが適当と考えますが、いかがでしょうか。 三月に入り、室外温度も上昇し、クロゴケグモが活発に動く時期がやってまいりました。そのようなことがないことを心から願うものですけれども、もし市民がクロゴケグモの被害に遭った場合の対応はどうなるのでしょうか。今議会よく言われています、危機管理体制の重要性が指摘されている今日、市民がパニックに陥らない万全の対応が求められています。 基地外で毒グモが発見された場合の市民の動揺に的確に対応することも含め、被害発生を想定しての対策が、現時点において、山口県として講じられるべき、このように考えるものですけれども、知事の御見解を伺うものであります。 愛宕山地域開発事業については、昨日、藤谷議員も質問をされておられましたが、岩国基地の滑走路移設事業への土砂出しを最優先の課題とすること、また、事業地が住居地域に隣接することから、周辺住民との間に多くのトラブルが生じております。 とりわけ、牛野谷町の百合ケ丘団地における振動被害は深刻であります。長期間の発破作業は、住民にとって受忍の限度を超えるものです。 山口県としても、この事業については、重大な責任を持つものでありますが、私は工事作業に当たっては、何よりも周辺住民の住環境保全を最優先にすること、このことを基本的な姿勢とされるべきと考えますが、知事の御見解を伺うものです。 具体的には、発破作業の振動については、人間が感じる振動の限界が五十六から五十七デシベルですから、振動目標値を現在の五十九デシベルから五十五デシベルに下げること、また、周辺住民とは十分な協議を行うことを求めるものですが、いかがでしょうか。 現在は、どの地方自治体も財政状況は厳しいものがありますが、とりわけ岩国市の状況は大変に苦しいものとなっています。昨年度決算では、一般会計と特別会計を合計しますと、約四十五億円の赤字が計上されているのです。これは標準財政規模の約二○%にも当たります。 そして、岩国市は来年度、課長補佐級以下の十二カ月定期昇給の停止を決定いたしました。これは事実上、再建団体にも等しい処置であろうと思います。 二月に発表された岩国市財政健全化計画を見ますと、二○○六年度まで、投資的経費は一般財源ベースでわずか年間約二十六億円しか使えないとされています。 愛宕山地域開発事業では、岩国市は多くの負担が予定されています。住宅供給公社の借り入れに当たっての損失補償にとどまらず、事業地における学校、社会福祉の用地費としての約五十億円、他に道路、下水道の整備費なども求められています。 このままでは愛宕山地域開発事業のために、他の事業がすべてストップする、そういうことにもなりかねません。 開発事業は、人口としても約五千六百人、戸数にして約千五百戸の新しい住宅地をつくるというものです。岩国市では、人口が減り続けています、少しずつながら。加えてこの不景気です。到底、これだけの住宅需要は見込めません。 この際、愛宕山地域開発事業については、中止も含め、抜本的に見直しを検討されるべきと考えますが、知事のお考えをお聞きし、私の関連質問とさせていただきます。(拍手) ○議長(島田明君) 吉冨総務部理事。    〔総務部理事 吉冨克史君登壇〕 ◎総務部理事(吉冨克史君) 米軍岩国基地問題のうち、岩国空域の返還問題等についてお答えします。 まず、岩国飛行場を含む米軍が管制している進入管制空域については、国は、国内における航空管制の一元化を図る立場から、これらの管制業務の返還を求めているものと承知しております。 次に、岩国飛行場に係る進入管制空域の問題については、航空行政を所管する国において対処されるべき問題と考えております。 また、返還に向けた取り組みについては、国から、「日米合同委員会の下部組織である民間航空分科委員会において、継続して、管制業務の返還を求めている」との説明を受けておりますので、県としては、当面、国の動きを見守ってまいりたいと考えています。 次に、愛宕山地域開発事業についてお答えします。 まず、周辺住民の住環境保全を最優先にするべきとのお尋ねです。 御案内のとおり、愛宕山地域開発事業は、岩国基地沖合移設事業を契機として、岩国市内の愛宕山地域を開発し、周辺の緑豊かな自然や既成市街地との調和のとれた、大規模かつ、良質な住宅団地を整備しようとするものであります。 現在は、既存の住宅地に近い場所で、造成工事が進められているところでございます。工事施工に当たっても、住環境の保全に留意しながら行わなければならないことは、御指摘のとおりであります。 今後とも、地元の皆様の御理解を得ながら、事業を円滑に進めていかなければならないと考えております。 次に、発破振動の目標値と地元との協議についてお答えいたします。 愛宕山地域開発事業では、発破振動に関し、環境監視目標値として、当初六十五デシベルを設定していましたが、地元の苦情等を踏まえ、工法の変更や作業方法の見直しなどにより、ピーク時で五十九デシベルを超えないことを目標に作業を行っています。 この結果、現在までの状況は、振動の測定値はおおむね五十九デシベル以下となっています。振動については、地盤の状況等の影響を受けることから、一定の値を維持することは困難でありますが、今後とも、振動の低減に向けた取り組みを進めていかなければならないと考えております。 また、地元との協議については、事業を進めるに当たっては、地元の皆様方の御理解、御協力を得ながら進めることが重要であると考えており、公社においても、現在行っている家屋調査の結果等を報告する予定としているなど、今後とも、地元自治会に対する説明会等により、地元と十分協議を行っていくこととしております。 次に、中止も含め抜本的な見直しを検討するべきとのお尋ねです。 愛宕山地域開発事業は、岩国市民の長年の念願である岩国基地の沖合移設事業を進める上でも、また、人口定住を促進し、県東部地域の振興発展を図る上でも、非常に重要な事業であり、工期も長期にわたりますので、今後の社会経済情勢の変化にも配慮しながら、事業効果が十分に発現するような方向で、岩国市や公社と連携し、本事業を推進してまいりたいと考えております。 以上であります。 ○議長(島田明君) 瀧井企画振興部長。    〔企画振興部長 瀧井勇君登壇〕 ◎企画振興部長(瀧井勇君) 岩国空域が民間空港再開に及ぼす影響についてのお尋ねでありますが、岩国基地飛行場において、民間航空機が就航するに当たりましては、事前に国等と米軍との間で、離着陸など運航方法について十分な協議、調整が行われるものと理解しておりまして、岩国飛行場にかかわる進入管制空域の存在が、民間空港再開の大きな支障になるとは考えておらないところでございます。 ○議長(島田明君) 小倉環境生活部長。    〔環境生活部長 小倉淑夫君登壇〕 ◎環境生活部長(小倉淑夫君) 私からは、クロゴケグモに関する御質問にお答えをいたします。 まず、「生息の可能性は低い」との見解の撤回についてであります。 県としては、十一月上旬においては、米軍による岩国基地内の駆除状況や県、市における岩国基地周辺の生息調査結果等を総合的に見て、「基地外での生息の可能性は低い」と判断したものであり、これまでの基地周辺調査においても、基地外での生息は見ていないところであります。 しかしながら、その後の米軍の調査状況により、基地境界に迫ってきていることが確認されるなど、状況は変化していることから、去る二月十五日にも、米軍や国に対して、基地内においての完全駆除、特に、春先に向けての万全な体制を文書により強く要請するとともに、基地周辺地域での監視体制を強化することとしたところであります。 次に、被害を想定した対策が現時点で講じられるべきとのお尋ねであります。 県におきましては、昨年十月二十日に通報を受け、危機管理の観点から直ちに、プロジェクトチームを設け、初動対応を行うとともに、庁内関係部局による「毒グモに関する連絡会議」を設置し、基地周辺地域の継続的な監視、発見した場合の駆除即応体制の確立、また、被害発生を想定した医師会への治療情報等の提供や、血清の緊急配備などの措置を講じているところであります。 また、岩国市と連携し、全世帯へチラシを配布し、このクモにはもともと攻撃性がないことの習性や、万が一かまれた場合の対処方法、発見した場合の駆除方法等について、住民へ周知したところであります。 県といたしましては、今後も、岩国市とともに、基地内における完全駆除等の要請や基地周辺地域の継続監視をするなど、住民の不安解消と健康被害防止に努めてまいる考えであります。 以上でございます。 ○議長(島田明君) この際、暫時休憩いたします。再開は、午後一時の予定でございます。    午前十一時四十一分休憩    午後一時一分開議 ○副議長(横山豊治君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 △日程第二一般質問 △日程第三議案第一号から議案第六十三号まで ○副議長(横山豊治君) 日程第二、一般質問を行い、日程第三、議案第一号から第六十三号までを議題とし、質疑の議事を継続いたします。佐々木明美さん。    〔佐々木明美さん登壇〕(拍手) ◆(佐々木明美さん) お疲れさまです。社会民主党の佐々木明美と申します。通告に従いまして質問を行います。 まず最初に、予算に関連をして、幾つかお尋ねをいたします。 今、日本の社会を覆っている大変うっくつしたムード、気分があります。この原因は、私は、さまざまあるというふうに思いますけれども、やはり、政治に対する信頼、政治家に対する信頼が落ちているのが、私はその最大の原因であるというふうに思います。 そして、中でも  中でも金まみれの自民党、政治を私のために使ってきた自民党、そして、政官財癒着の自民党がいまだ政権の中心に居座っていることが、私は、この日本の社会にとって最大の不幸だというふうに私は思ってます。 国会が始まりまして、これまでの自民党政治の数々の罪状が明らかにされましたけれども、にもかかわらず、自民党、そして、自民党を助けている公明党の皆さん、保守党の皆さんの数の力によって、残念ながら予算が衆議院を通過いたしました。 森総理大臣の退陣の時期も、いろいろ計算をされているようですけれども、私は、首相の首をすげかえたところで、自民党を政権の座から引きずりおろさなければ、政治は変わらぬと思います。(発言する者あり)ありがとうございます。 参議院選挙は、表紙を変えるだけではなくて、政治を丸ごと変えるための戦いです。そのために、私たち社民党も頑張りますし、そして、有権者の皆さんの意識も私は試されているというふうに思います。力を合わせて、自民党政治を終わらせるために頑張ることを、ここで表明いたします。 さて、地方財政に目を転じますと、景気後退による税収不足もさることながら、公共事業を中心とする国の景気対策のツケで、厳しい財政状況が続いております。 来年度末、地方の借金は百八十八兆円に上ると言われております。そして、厳しさは、県予算も同じです。 提案をされています新年度予算は、四十二年ぶりに、対前年比二・二%のマイナス予算になったと言っておられます。そして、県債も、硬直化した財政構造の改善に向け、対前年度比一○%の削減を図った結果、県債発行額は、六年ぶりに一千億円を割り込み、九百四十六億円になったということです。 しかし、来年度末の借金の残高は一兆二百五十八億円にも上り、二○○二年度以降も引き続いて財源不足が見込まれております。 そこで、お尋ねいたしますが、今後、県債発行を抑制しつつ、県財政の健全化と同時に、財源確保対策をどのように進めていかれるのでしょうか、お尋ねをいたします。 また、地方交付税は、その不足を補うため、来年度七十億の臨時財政対策債  赤字地方債が振りかえられました。将来的には、交付税で全額補てんされると言いましても、財源不足を赤字地方債で補てんすることは、地方財政をさらに悪化させる懸念が濃厚です。このことについて、県はどのように考えておられるのでしょうか、お尋ねをいたします。 また、税財源の移譲を含む抜本的な税財政の改革について、国に引き続き要求すべきと思いますが、お尋ねをいたします。 次に、財源対策の有効な手段でもあります事業評価制度について、お尋ねをいたします。 来年度の予算にも事業評価制度によって財源を捻出をされております。今後、一定規模以上の事業については、住民参加による事後の評価制度ではなくて、それも大切ですけれども、事前の評価制度によって、その是非を議論すべきだと思います。 例えば、デザイン21の実行計画によれば、今後、県営建築事業は、建設費、維持管理費とも、莫大な経費を要する大型事業がずらりあります。社会経済情勢の変化を踏まえ、しっかり精査する必要があります。知事の見解を伺います。 次に、公共事業のあり方について、お尋ねをいたします。 国は、国民の批判を受けて、昨年与党三党で、不透明ではありますが、公共事業の見直しを発表いたしました。しかし、にもかかわらず、公共事業予算は、前年同額を確保しておりますし、さらに、三千億円の公共事業予備費まで用意をしており、旧態依然とした予算の組み方です。 そこで、県の予算を見てみますと、景気回復と雇用の安定に向けて、公共事業費は前年並みに確保したと言っておられます。 その内容も、従来からの国の景気対策頼みの補助、直轄事業中心となっています。国の景気対策につき合って、借金を積み重ねてきた構図といささかの変化もありません。 建設事業等に係る繰越明許費が五百六十五億円に上るということが、不要不急の公共事業に取り組んできたという証左の一つではないでしょうか。 さらに、国は、今後、補正により、公共事業を中心とする新たな景気対策を行うことも、十分に予想されるところです。 このような背景のもとで、来年度当初予算における公共事業計上の考え方について、そして、新たな地方財政負担を生じさせないため、どのような取り組みをされたのか、知事の見解をお尋ねをいたします。 次に、中小企業及び雇用対策についてお尋ねをいたします。 このところ、株価や公定歩合、失業率や有効求人倍率など、景気・雇用状況を示す指標は、いずれもとどまるところを知らぬほど悪化を続けています。 とりわけ中小企業に至っては、より深刻さを増しており、最大の問題は、資金繰り  中小企業の最大の問題は資金繰りだと言っています。にもかかわらず、中小企業融資の利用実態の落ち込みは、一体どこに原因があるのでしょうか。 来年度、創設をされます県独自の保証制度について、ちまたの専門家は高く評価してます。私は、幾人かの方から聞きました。この活用のためにも、現状の問題点を解明し、是正することが必要です。 これらの点を踏まえ、山口県経済を支えている中小企業に対する金融支援を中心とした対策について、来年度どのように取り組まれるおつもりなのでしょうか。 また、能力主義、成果主義がますます強調される雇用環境や、一方で雇用のミスマッチが生じていますが、職業人としての職業能力開発支援について、どのように考えておられるのでしょうか、お尋ねをいたします。 次に、新年度予算には、合併支援のさまざまな事業が盛り込まれております。 最近の市町村合併をめぐる動きは、かつて政治改革イコール小選挙区制ということで、多くの政治家、そして評論家、そして、マスコミ挙げて、小選挙区制導入を先導したこと、全くその状況と酷似をしております。 小選挙区制導入の結果、今日の政治の状況、政治のていたらく、小選挙区制導入とは何だったのか、政治改革とは何だったのか、私から説明は要らないと思います。 このように、政治、経済、社会挙げて、一つのことを推し進めようとする動きは、実は、民主主義の危機であり、ろくなことはないというのが歴史の法則です。 さて、今日、国が進めようとしている市町村合併は、財政面はもちろん、市に昇格をさせるための要件緩和や、合併市町村の特例的な選挙区制、果ては、日ごろ忌み嫌っている住民投票制度など、合併のためには、まさに何でもありの利益誘導で推進しようとしています。 また、合併の最終目標年度は二○○五年三月とし、昨年末には、市町村の目標値も千と閣議決定されました。 近くは、総務省が知事をトップとして、合併支援本部を設置し、合併重点地域指定を求める指針が発表されるとの報道もあり、国の市町村再編の露骨な意図がうかがえます。 合併は、地方自治の根幹にかかわるゆえに、市町村や住民の自主的判断が何より尊重されなければならないのは当然のことです。にもかかわらず、こうした国の実質的な合併誘導策、推進体制に県はどのような見解を持ち、そして、国に対し地方自治尊重の立場から、どのように意見を述べていかれるおつもりでしょうか、お尋ねをいたします。 さて、県と市町村の関係が、ゆめゆめこのようなものであってはなりません。しかし、市町村の自主的な取り組みを支援すると言いつつ、来年度事業はなぜ市町村合併推進事業なのか、改めて基本姿勢を伺います。 次に、市町村合併推進の理由の一つに、地方分権や行財政基盤の強化がその理由として言われております。しかし、本来、これらは別物で、その大方の責任は国にありながら、地方自治体に移譲をしようとしていないことが、実は問題なのです。 合併推進の理由が、現下の社会情勢のもとで、さももっともらしく喧伝されていますので、この点について県の見解を確認をしておきます。 次に、福祉の問題で二点、お尋ねをいたします。 県内には、障害者の自立や社会参加を目指して、障害の種類によって、共同作業所、福祉作業所、授産施設などがあります。しかし、自立と社会参加という看板にもかかわらず、その実態は大変厳しいものがございます。工賃も、例えば一万円前後というのが県内の平均ではないでしょうか。 このような状況を踏まえて、仕事の確保や作品の販路の拡大のために、授産施設同士の横の連携も進んでおります。しかし、景気の低迷に加え、専門家が配置されているわけでもなく、これらは大変困難な問題です。 九八年十一月、滋賀県では、このような問題の解決のために、県の支援のもとに社会就労事業振興センターを立ち上げました。近くは、広島県、愛知県、宮崎県、沖縄など、全国ではかなりの数で設置をされているとのことです。 障害や施設の種別を超えて、各施設が会員となり、一つ、自立の促進、二つ、就労と社会参加の促進、三つ、作業所、授産所の事業促進、四つ、作業所、授産所の機能強化の四つの目的のためのセンターです。 障害があろうとなかろうと、地域で生活したい、そして、生きるために仕事をしたい、社会にかかわりたいと思うのは、当然の権利です。 山口県には、現在、このセンターのような機能を持つ組織として、山口県障害者施設授産協議会があります。しかし、障害者を取り巻く厳しい環境から見て、この協議会の拡充・強化がますます必要だというふうに思いますけれども、今後、この授産活動の充実について、どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねをいたします。 二つ目に、「レスパイト・ケア」、皆さんお聞きになったことありますか。私もごく最近聞きました。レスパイト・ケア、これは、障害を持っている人の日常的なケアからの一時的解放と定義をされ、欧米で広く行われている地域支援サービスの一つだそうです。レスパイト・ケア。 最近では、我が国でも広がりを見せており、制度化に至った自治体も少なくないとのことです。 「レスパイト」とは、休息、息抜きなどを意味し、第一の目的は、家族などの介助者が心身をリフレッシュするために利用し、障害を持った人にとっても、宿泊体験や余暇活動を家族以外と行うことができるなど、生活の幅を広げる機会となるそうです。 現行のショートステイも、最近では大変使い方がよくなりましたけれども、これも一つのレスパイト・ケアの一つと思いますけれども、緊急時の即応体制などの困難さや、必要なときに、必要な人に、必要な援助を柔軟に届けてくれるサービスということで、今、ショートステイにかわるレスパイト・ケアの必要性が注目をされています。 折しも、社会福祉基礎構造改革を踏まえ、来年度から障害者プランの策定作業が始まりますが、この中で、レスパイト・ケアの導入について検討されてはいかがでしょうか。ぜひそのようにしていただきたいというふうに思いますけれども、見解をお尋ねをいたします。 次に、知事の政治姿勢にかかわって、上関原発問題についてお尋ねをいたします。 上関原発は、安全性はもちろん、地域振興策としても、県民合意のないことがいよいよ明らかとなりました。 昨年末、朝日新聞によって行われた、初めての県民世論調査の結果です。「地元の理解」が進んでいるはずの上関町ですら、「反対」四六%、「賛成」三三%と、「反対」が上回っています。 上関町は、これまで十九年間、議会での原発誘致決議に至るまでは、中国電力のさまざまな工作があったにせよ、議会決議をにしきの御旗に、町挙げて原発立地活動を進めてこられました。 知事は、一貫して、こうした上関町の政策選択を尊重すると言ってこられました。しかし、上関住民の意向は、議会の決議と全く反対だったのです。 私は、県民全体の世論の動向は、全国的な世論調査の様子を見まして、大体予想はしておりましたけれども、まさか地元の上関町で、これほどの反対者が多いとはびっくりいたしました。本当にこれは衝撃的な調査結果だったと思います。 もちろん、私は、政治家の責任として、世論に迎合したり、世論の動向が政策判断の一○○%の根拠ではない、それは当然と思います。しかし、今回の世論調査は、全国の傾向とほぼ同じで、県民の冷静な判断結果だと言えます。 それだけに、知事の今後の重要な判断材料になるはずですし、また、そうならなければなりません。 なぜ私がこのように断定するかといいますと、もう何回も繰り返し巻き返し述べてきましたように、安全性の問題、地域振興の問題、電力自由化、高コスト、放射性廃棄物の処理対策などなど、原発は解決できない多くの問題を抱えているからです。 知事は、上関町や県民全体の世論調査の結果について、どんな見解、感想を持たれたのでしょうか、お尋ねをいたします。 さらに、今回の調査結果は、知事の判断にどのような影響を及ぼしましたか、お尋ねをいたします。 次に、知事は、神社用地の土地問題が解決しない限り、国に対して意見を言うことはできない、と繰り返しおっしゃっておられます。当然のことです。だとするなら、かつて、土地・海・住民合意が立地の前提だと、この議会で明言されたことを私は思い出します。 住民合意の状況は、二市五町を含め、さきの世論調査のとおりです。 海の合意は、祝島漁協が提訴中です。 全国五十二  今、五十二原発が動いてますけれども、「五十二の原発はすべて、関係漁協の理解を得て、合意を得て稼働している」、これは、私の質問に対する執行部の答弁です。ですから、よもや、祝島を切り捨てることは考えられません。 三条件がこんな状況なのに、なぜ知事は土地だけにこだわられるのですか。海も住民合意も解決しない限り、国に対し意見が言えないのではありませんか、お尋ねをいたします。 さて、先日、東京電力が、発電所の新設計画を凍結すると発表しました。原発は、翌日になって、慌てて別だと言っていますけれども、本音は先送りを検討している模様です。 続いて、中国電力も、発電所建設の見直しを発表しましたが、さすがに原発については、ベストミックスを図るため、計画を変更するつもりはないと言っています。 ちなみに、山口県での中国電力の発電電力量の四○%以上は、県外に移出しています。 電力の安定供給が、原発建設の一つの口実でした。しかし、今や、景気低迷下で、伸びない電力需要や本格的な電力自由化を前に、建設の前提理由は完全に破綻いたしました。 続いて先日、福島県の佐藤知事が、プルサーマル計画を当面拒否すると発表しました。これにより、余剰プルトニウムは持たないという日本政府の国際公約は、実行困難となりました。 このことは、「もんじゅ」の事故に続き、核燃料サイクル事業を前提とする、日本の原子力政策の基本が大きく揺らぐことを意味します。 さらに続いて、「原発は、危険きわまりない代物」、この発言は、皆さんだれの発言と思われますか。昨年末、原発について申し入れに行った際、その際の綿屋副知事の発言です。さすが、率直明快な綿屋副知事ならではの発言と思います。 そして、副知事の発言は、まだ続いてるんです。「だから、国は、安全対策をしっかりしてもらわなけりゃ困る」と続いております。けれども、その対策の責任は、国と事業者に丸投げというのが山口県の姿勢です。 以上、最近の出来事を紹介をいたしました。 知事、こんな状況でも、いまだ電力の安定供給のために、危険きわまりない原子力が必要と思われますでしょうか。そして、大きく陰りが見えつつある、原子力を中心とする国のエネルギー政策に、まだ協力をするお立場でしょうか、お尋ねをいたします。 この際、県民世論に基づき、上関原発白紙撤回を断言されませんか、お尋ねします。 次に、宇部市に、アメリカのエネルギー会社「エンロン」の大型石炭火力発電所建設計画が、このほど具体化いたしました。 上関町原発一基分以上に相当するとのことですが、原発の必要性はますますなくなりました。同時に、石炭火力ということで、新たな環境汚染が懸念をされます。 計画の具体化とともに、環境影響調査の手続に入るものと思われますが、現時点での事業計画や今後の見通しについて、お示しをいただきたいと思います。 さて、鹿児島県奄美大島のゴルフ場開発計画をめぐり、自然保護団体が、国の天然記念物でありますアマミノクロウサギなどの生きる権利を主張して、県知事を相手に開発許可の取り消しを求めた裁判の判決が、去る一月、出されました。 訴えは、却下されました。しかし、裁判長は、その判決文の中で、注目すべき発言をしています。 「自然が人間のために存在するという考え方を、このまま推し進めてよいのかどうかは、深刻な環境破壊が進行している今、国民の英知を集めて検討すべき課題である」。 この判決文を読んで、私は、市民科学者、高木仁三郎氏が末期がんの病床にあって口述筆記した、最初で最後の小説「鳥たちの舞うとき」を想起いたしました。 ダム工事による利権や政争を背景に、森に生息する鳥たちの「自然の権利」をテーマにした小説です。 上関原発立地周辺海域の、類例のない生態系の保全が求められているときだけに、私は、この本を二井知事にお贈りいたしました。知事は読んでいただけましたでしょうか。 さて、動植物が原告となり、人間同様、裁判を起こす当事者能力を認めるべきだとする、「自然の権利」が認知されたなら、ハヤブサやスナメリ、ナガシマツボやヤシマイシンなど、上関周辺の動植物が、中電のアセスメント追加調査を了解した二井知事を相手に、裁判を起こすことでしょう。 知事、覚悟はできておいででしょうか。また、「自然の権利」について、どんな見解を持っておられますか、お尋ねをいたします。 最後に、教育問題についてお尋ねをいたします。 昨日は、三月一日の高等学校の卒業式風景について、お話をされた議員の方もいらっしゃいました。私も卒業式に行きました。毎年、楽しみにしております。子供たちが何を発言するのか。非常に楽しみにしておりまして、毎年のように、私はすがすがしい感動を覚えて帰ります。 そして、きのうもどなたかおっしゃいましたけれども、やはり大人が頑張らなきゃいけないな、子供たちの幸せのために頑張らなきゃならないな、ということを決意を新たにして、そのときは帰ってまいります。 私も三月一日、そういう思いを抱いて会場を後にしました。そして、卒業生、男子でしたけれども、卒業生が、答辞の中でこういうことを言ってました。 「きのうより、自分のことが好きと言える自分になるように」  きのうの自分より、きょうの自分が好きと言えるように努力をするちゅうことですね。私はちょっとこの気持は忘れていました。そして、また、「人間が進歩してきたのは、理想を追い求めてきたからだ」。これも忘れがちです。本当に感動しました。 そしてまた、彼はこういうことを言ってました。知事、一番思い出に残ることをいろいろ挙げてましたけれども、「高一の入学間もない合宿で、いまだ解決を見ていない上関原発の是非について、議論したことが懐かしい」。そういう話をしてました。 私は、十七歳だとか十八歳だとか、いろいろ今の青少年を取り巻く状況について、私たち大人が言ってますけれども、やはり子供の状況というのは、今を生きている大人、私たちの反映ではないか。今の社会の反映ではないか。私たち大人が本当にまじめな生き方を示すことが、今ほど必要なときはない、というふうに思います。 そして、一番大切なのは、教育。人づくり、教育です。そして、教育に、もっとお金をかけなくちゃならん、人手をかけなくちゃならん。そのために、山口県教育も頑張らなくちゃならんというふうに思います。そういう立場で質問いたします。 来年度、一定規模以上の小学校六年生に、教科担任制を導入することが提案をされております。 この事業は、一人でも多くの先生が欲しいと願っている学校現場から、今年度の楽しい学び舎づくり事業とともに、私の聞いている限りでは、おおむね  ちょっと違う意見も聞きましたけど、おおむね評価をされています。 ただし、大規模校は、既に加配教員によって、一部教科担任制が実施をされているそうでありまして、小学校と中学校との円滑な接続を図る、連携を図るという事業の目的からすれば、教科担任制は、むしろ小規模校に配置するのがふさわしいのではないか、という意見もありました。 いずれにいたしましても、教科担任制によって配置された教師の活用は、当該校の実情に応じて、一定の裁量を与えて柔軟に活用することが、認められるべきではないでしょうか。 また、楽しい学び舎づくり推進事業も、大規模校でありながら、来年度一クラス三十四名となるため、補助教員が配置されなくなるとのお話も聞きました。 評価の高いこの事業を、さらに条件緩和を図って、継続して取り組むことが強く期待をされますが、見解を伺います。 さらに、新事業は、いずれも市町村教委や市町村の理解なくして実施できませんが、どう対応されているのか、お尋ねをして第一の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○副議長(横山豊治君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) 佐々木議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず、財政問題に関して、県債発行の抑制と財源確保対策についてのお尋ねでございます。 御案内のとおり、県財政は、県債残高の増嵩により、公債費が累増しており、財政の健全化を進めていく上で、その負担の軽減を図ることが重要な課題となっております。 そして、同時に、県財政は、平成十四年度以降も、引き続き財源不足が見込まれておりまして、財政収支の均衡を図っていくことが重要な課題となっております。 このために、私は、今後の財政運営に当たりましては、今申し上げました、この両方の課題について、適切に対応していくことが必要である、というふうに考えております。 そこで、まず、県債につきましては、歳入面での減少要素とはなりますものの、硬直化した県財政の改善に向けて、将来の実質的な財政負担を考慮しながら、引き続き抑制基調で臨んでいきたいと考えております。 また、財源不足対策につきましては、景気回復を通じた県税収入の増加や、地方財政対策の拡充等に期待をいたしつつ、事業評価制度を活用した事業の見直しや、減債基金の活用等により、収支の均衡を図っていきたいと考えております。 次に、臨時財政対策債と抜本的な税財政改革についてのお尋ねでございます。 臨時財政対策債は、地方財政対策の一環として、地方交付税の振替措置として創設をされたものであり、個々の地方公共団体にとりましては、償還財源のめどがない赤字地方債とは異なりまして、元利償還金の全額について、将来の地方交付税措置が見込まれるものでございます。 しかしながら、近年の地方財政の悪化は、こうした特例的な地方債の増発による借入金残高の増嵩が、大きく影響をいたしております。 私は、現下の国、地方を通じる厳しい財政状況の中、借入金に依存した形で、地方財政の運営が講じられることは、当面対策としてはやむを得ない面がありますものの、本来的には好ましいものではあるとは考えておりません。償還財源の確保を含め、こうした状況から、地方財政ができるだけ早く脱却をすることが必要である、というふうに考えております。 そのためには、国から地方への税源移譲や外形標準課税の導入など、抜本的な税財政改革が早期に実現される必要がありますので、全国知事会等を通じて、国に対し、引き続き強く要請をしていきたいと考えております。 次に、事前評価制度についてのお尋ねでございます。 お示しがありましたように、大型の県営建築事業は、建設費や維持管理費など、追加財政需要が多額に上りますことから、その実施に当たりましては、社会経済情勢の変化を踏まえつつ、事業の必要性や緊急性、また、費用対効果の分析など、十分な事前の内部検討を行っていく必要があると考えております。 御質問の事前評価制度を設けることにつきましては、現在考えておりませんが、その検討結果につきましては、各種の広報・広聴制度等を活用することにより、広く県民の皆様にお示しをし、御意見や御要望をいただきながら、効率的、効果的な事業の推進に努めていきたいと考えております。 次に、来年度当初予算における公共事業計上の考え方と、その財政負担抑制策についてのお尋ねでございます。 まず、公共事業計上の考え方についてでありますが、公共事業は、景気対策としての効果だけではなく、生活関連社会資本の整備促進にも資するものでありますことから、私は、来年度当初予算におきまして、前年度と同規模の事業費を確保し、道路、公園、住宅など、県民に身近な各種生活基盤の整備を進めることといたしたところであります。 次に、財政負担の抑制策についてでありますが、お示しのとおり、公共事業の実施、とりわけ、国の経済対策への対応に伴い、近年、県債残高が増嵩し、その償還が財政の圧迫要因ともなっております。 このため、来年度の当初予算におきましては、公共事業の実施に伴う財政負担を抑制をするために、まずは、地方負担額の少ない補助・直轄公共事業の導入確保に努めますとともに、県債の活用に当たりましても、地方交付税措置の、より高い県債の選択に努めたところでございます。 次に、市町村合併についての三点のお尋ねに、お答えを申し上げます。 まず、国の推進体制に対する県の見解についてでありますが、国においては、これまで自主的な市町村合併の推進に向けて、合併特例法の整備や地方財政措置等、さまざまな措置を講じてきたところでありますが、市町村合併をより一層積極的に推進をするために、これまでの行財政措置に加えて、市制要件の緩和や、新たな特別交付税措置の創設など、支援措置が拡充をされたところであります。 このような国による行財政にわたる支援措置は、新市町村への円滑な移行のための各種条件整備や、市町村建設計画に基づく事業の効果的な実施などのために、不可欠なものであると考えております。 このために、県といたしましては、これまでも中国地方知事会や九州地方知事会を通じまして、国に市町村合併を積極的に推進をしていくための施策の充実強化を要望してまいりました。 次に、来年度事業に関して、市町村合併に対する基本姿勢についてでございます。 合併は、地域のあり方や地域住民に大きな影響を及ぼす事柄でありますことから、市町村や住民の自主的、主体的な判断によることが基本であります。県としては、こうした市町村や住民による取り組みが円滑に進むように、必要な支援を積極的に行うことが重要であると考えております。 このために、来年度予算案におきましては、合併に向けた自主的、主体的な取り組みを幅広く支援をする「市町村合併推進事業」を計上をいたしている、ということであります。 次に、市町村合併推進の理由についてであります。 本格的な地方分権の時代は、まさに地域がお互いに政策で競い合う地域間競争の時代でもあり、今後一段と、市町村同士の競争が激しくなるものと考えております。 こうした中で、基礎的自治体である市町村が当面する諸課題に対応し、魅力ある地域づくりを進めていくためには、行財政基盤の充実強化を図ることが不可欠であります。 市町村合併は、そのための最も有効な方策であり、その推進は避けて通れない重要な課題であると考えております。 次に、上関原電立地計画についての数点のお尋ねでございます。 まず、昨年末、新聞社が実施をした世論調査についてでありますが、個別の調査結果について、逐一見解を申し上げることは差し控えたいと思います。 また、今回の世論調査の影響についてでございますが、私の判断は、国から意見を求められた時点で行うことといたしておりますので、申し上げることは差し控えたいと考えております。 次に、知事意見に関してのお尋ねでございます。 知事意見につきましては、国が電源開発促進法の規定により、総合資源エネルギー調査会の上程に際して、照会されることになっておりますので、県としては、意見照会があれば、これまで繰り返して申し上げておりますように、お示しの住民合意、関係権利者との交渉状況等、いろいろな判断材料を総合的に検討し、対応する必要があると思っております。 次に、最近の出来事を踏まえた上での原子力の必要性についてのお尋ねでございます。 原子力発電の必要性につきましては、さきの議会でもお答えをいたしましたように、資源の乏しい我が国におきましては、エネルギーの安定的、効率的な確保を図る観点から、国のエネルギー政策において重要な位置づけがなされており、私としては、国のエネルギー政策に協力する立場の中で、国及び事業者による安全性の確保を前提に、その必要性については認め得るものと考えております。 次に、国のエネルギー政策に係る県の立場についてのお尋ねであります。 国におきましては、環境保全や効率化に対応しつつ、安定的なエネルギーの供給を実現することを、我が国のエネルギー政策の基本目標として、省エネルギー対策や新エネルギーの導入促進とともに、原子力発電の着実な導入を進めているところであります。 県としては、国のエネルギー政策に協力する立場で、県民等への意識啓発に努めておりますが、原子力政策は国策として、国の明確な責任において積極的な情報公開のもとに、安全性、信頼性の確保はもとより、国民の十分な理解と協力を得ながら進めることが基本であると考えております。 県としては、こうした観点に立って、これまでも全国知事会等を通じて、こうした取り組みの強化を国に要望してまいりましたが、今後とも国の動向を注視しながら、対応していきたいと考えております。 次に、白紙撤回についてであります。 県としての判断は、これまで繰り返して申し上げておりますように、国から意見照会があった時点で、いろいろな判断材料を総合的に検討し、対応することといたしておりまして、現時点で、立地の是非について申し上げる考えはありません。 次に、上関原電に関連して、周辺の動植物が原告となり裁判を起こした場合について覚悟はできているか、というようなお話でございました。 上関原電に係る環境影響につきましては、環境影響評価技術審査会の科学的知見に基づく、七回もの審議を経た結果としての答申を尊重するとともに、公聴会を開催し、そこで、述べられた意見等も踏まえ、通産大臣に対し、スナメリ等の追加調査等を求める知事意見を提出をいたしたところであります。 このたび、国の行政指導に基づき、事業者から提出をされた追加調査に係る中間報告につきましても、庁内検討会で鋭意検討するとともに、環境影響評価技術審査会委員の意見を聴取するなど、十分な検討を行ったところであります。 その結果、さきに通産大臣に提出した知事意見が、基本的に尊重されていることを確認をするとともに、より一層環境の保全を図る見地から、事後調査等、九項目の配慮事項に関し、県の見解として国に要望いたしたところであります。 今後、事業に伴う環境影響につきましては、知事意見、県の見解等を踏まえ、最終的に環境影響評価書が作成をされ、国において厳正な審査が行われることとなっており、こうした環境影響評価の手続の中で、自然環境の保全を図ることができるものと考えております。 私としては、今後とも本県の豊かな自然環境を保全し、将来に引き継いでいくため、できる限りの努力をしていきたいと考えているところでありまして、万一、自然が原告となって提訴をされた場合におきましても、十分、御理解がいただけるものだというふうに考えております。 次に、「自然の権利」に関する私の見解についてのお尋ねであります。 「自然の生態系や野生生物には、本来、保護されるべき固有の権利がある」という、いわゆる「自然の権利」に関しましては、アマミノクロウサギ等を原告とする「奄美自然の権利訴訟」の、先ほど御紹介がありました却下判決や、また、御紹介のありました「鳥たちの舞うとき」を通じて、私も承知をいたしておりますが、いまだ定着していない概念であり、今後、国や司法当局等において議論が深まるものと考えており、こうした動向を注視してまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、私たち人間は、自然から多くの恵みを享受をし、今日の繁栄を遂げてきたものであり、私は、今後においても、この恩恵を忘れることなく、自然と人との共生の理念のもとに、環境の保全と創造を目指した「環境にやさしい県づくり」に努めてまいりたいと考えております。 そのほかの御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(横山豊治君) 前田商工労働部長。    〔商工労働部長 前田隆康君登壇〕 ◎商工労働部長(前田隆康君) 私からは、中小企業及び雇用対策と、エンロンの発電所計画についてお答えをいたします。 まず、中小企業に対する金融支援についてであります。 県制度融資の利用実績につきましては、平成六年度から九年度にかけては、九百億円台で推移をしてきましたが、平成十一年度は、六百十六億円、また、本年度の見込み額は六百五十億円となっております。 この原因は、景気の低迷による設備投資の減少に加え、資金ニーズの多くが、平成十年十月に導入をされた国の特別保証制度へ向かったことによるもの、というふうに考えております。 この特別保証制度は、特別基金の設置により、五千万円までは、無担保・第三者保証人不要という保証要件の設定が可能となり、信用保証協会の積極的な保証対応がされたため、多くの中小企業が利用いたしました。 国の特別保証制度は、三月末で廃止をされますので、新年度は、この保証制度に準じた県独自の保証制度であります「経営支援特例保証制度」を創設をし、損失補償を設定いたしまして、金融支援の実効性を確保したいと考えております。 また、県の制度融資につきましては、それぞれの資金の趣旨や目的に沿って、無担保・無保証人制度や損失補償の設定など、さまざまな工夫を行っており、今後とも、各種メディアを通じたPRや、中小企業支援センターなどの経営支援機関との連携を一層密にし、制度の周知と利用の促進に努めるとともに、金融情勢を初めとする環境の変化に応じて、資金構成や融資条件などを絶えず見直し、制度の充実を図ってまいりたいと考えております。 次に、職業能力開発支援についてであります。 産業構造の変化や技術革新の進展によって、企業の求める技術や技能も、高度化、多様化をしてきておりますことから、雇用のミスマッチが生じており、この解消に向けた職業能力開発の重要性や必要性が増している、というふうに考えております。 このため、現在策定中の、「第七次山口県職業能力開発計画」では、企業の求める技能者の養成や資格の取得に向け、高等産業技術学校での訓練科目の見直しや、臨時訓練を充実するとともに、企業や労働者みずからの能力開発を支援するため、各種助成金の活用や認定訓練校の育成、さらには、技能検定制度の普及等にも努めることにいたしております。 今後とも、地域・企業ニーズの把握に努め、企業の求める即戦力となる優秀な技能者の育成に向けた職業訓練を実施するとともに、関係団体との連携を深めながら、職業能力開発の一層の充実に取り組んでまいる考えであります。 次に、アメリカのエンロンの関連会社でございます、イーパワー株式会社の事業計画等についてのお尋ねであります。 計画の概要は、発電出力が最大七十万キロワットの石炭火力発電設備を二基、宇部興産株式会社が所有しております埋立地に建設をするというもので、平成十六年着工、平成十八年の運転開始を目指し、この四月には、環境影響評価法に基づき、環境影響評価方法書の公告・縦覧等の手続に入りたいとの意向を持っているもの、と承知をいたしております。 以上でございます。 ○副議長(横山豊治君) 藤井健康福祉部長。    〔健康福祉部長 藤井俊彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(藤井俊彦君) 私から、福祉問題についての二点のお尋ねにお答えいたします。 まず、授産活動の充実についてであります。 障害者の方々が住みなれた地域で、生きがいを持って充実した生活が送られるように、授産施設等におきます授産活動の活性化を図ることは重要であります。 このため、県内の授産施設等におきましては、六十九施設が参加する障害者施設授産協議会を組織し、施設相互の連携と調整により、授産活動の活性化に取り組んできているところでありますが、県におきましては、近年の経済動向等を踏まえまして、授産協議会の活動を支援するため、平成十一年の二月に福祉、経済の関係者で構成いたします「授産活動強化対策会議」を設置し、授産活動の活性化について協議・検討を行いますとともに、新製品開発のための研修会の開催、アドバイザーの派遣、製品PRパンフレットの作成等の取り組みを進めてきたところであります。 この結果、施設間のネットワークの強化を初め、「さき織り」や「藍染め衣料」の生産、木工パズルの製作、施設が共同しての「ウコン」の製造、道の駅を利用しての「福祉の店」の設置など、新たな取り組みも進んできております。 今後とも、県といたしましては、障害者施設授産協議会を中心に授産活動の活性化が図られますように、市町村や関係機関と連携し、授産施設の新たな取り組みなどの情報提供に努めますとともに、アドバイザーの活用や企業関係者等の協力など、一層の支援に努めてまいります。 次に、レスパイト・ケアについてであります。 障害者の介護等に当たっておられます家族の方々の負担の軽減やリフレッシュ等を図り、障害者を抱える家族の方々が地域で安心して暮らせるよう支援することが重要であります。 このため、県におきましては、市町村や関係機関と連携し、障害児・者のショートステイを中心に、ホームヘルプサービスやデイサービス等の提供にも、積極的に取り組んでいるところでございます。 特に、ショートステイにつきましては、より利用しやすくするため、本年度から利用手続の簡素化を図る利用証方式の導入をしたところであり、来年度は、日中のみの利用も可能となるよう、改善を図ることといたしております。 お示しのレスパイト・ケアであります、こうした支援の充実につきましては、平成十三年度から着手いたします新たな障害者プランを策定する中で、関係者の意見も聞きながら、さらに検討をしてまいります。 以上でございます。 ○副議長(横山豊治君) 牛見教育長。    〔教育長 牛見正彦君登壇〕 ◎教育長(牛見正彦君) 教育問題について、三点のお尋ねにお答えをいたします。 まず、「伸びゆく学び舎づくり推進事業」で配置をいたします教員の活用についてでございます。 本事業は、小学校段階において、中学校での学習スタイルに段階的になれさせるとともに、中学校入学後の大きな環境変化によって生じやすい、教育上の諸問題の未然防止を図るために、六年生の担任と新たに配置される非常勤講師とで、国語、社会、算数、理科等において教科担任制を行うものであります。 このような教科担任制を行うためには、同学年に複数の担任が必要でありますことから、大規模な小学校においてモデル的に実施をするものでございます。 また、配置される非常勤講師の活用に当たりましては、本事業の趣旨に沿って、各学校が児童の実態や教員組織の状況等に応じて、創意工夫を生かして取り組むことが重要であると考えております。 次に、「楽しい学び舎づくり推進事業」の今後の取り組みについてであります。 本事業は、関係者からも高い評価を得ているところであり、県教委といたしましても、就学直後の児童の個性や特性に応じた、きめ細かな指導体制を整備することは、将来的にも重要な課題であると認識しておりますことから、来年度につきましては、今年度と同様に取り組むことといたしております。 また、その後の取り組みにつきましては、二年間の事業の成果を踏まえるとともに、国の制度への意向も視野に入れながら、検討してまいりたいと考えております。 次に、関係機関への対応でありますが、お示しのように、これらの事業は、市町村教委や市町村に十分理解していただいた上で、推進をしていく必要がありますので、あらかじめ関係市町教育委員会へ説明し、事業の趣旨や内容及び実施方法等について理解を得て、新年度から円滑に実施できるよう、努めているところございます。 今後とも、関係機関と十分連携を図りながら、これらの事業が子供たちにとって有意義に推進されるように、取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(横山豊治君) 佐々木明美さん。    〔佐々木明美さん登壇〕 ◆(佐々木明美さん) お疲れさまです。幾つか再質問いたします。 授産協議会のことですけれども、実は今、社協の中に協議会が設置をされているということですけれども、社協の中の一つの仕事として授産協議会がある。そうじゃなくて、授産協議会そのものを、ひとつ立ち上げる必要が、私は近い将来あるのではないかと。 社協の仕事の一つとして、授産の横の仕事ではなくて、その社協から独立をして、ひとつの法人格として授産施設の連携、活発化を図るためにそういう協議会を、協議会にしろセンターにしろ名前はどうでもいいんですけれども、そういう組織を私は近い将来、立ち上げる必要があるのではないかと。 そうしなければ、現状の社協の中の一つの仕事ということになりますと、どうしても専門家を配置することも現状ではなってませんし、本来そうであるとするならば、本来の目的からしても、どうしても十分な成果が得られないというふうに思いますので、これはぜひ近い将来、全国のそういった施設を学びながら、山口県もそういう組織を立ち上げるように検討をしていただきたいと。 これは、答弁がいただけますかね。これちょっと、検討してくださいや。もう一回、その辺について部長の答弁をお願いいたします。 それから、教育ですけれども、この間、山田教育委員長さんの投稿を拝見をさせていただきました。「山口県の教育ビジョンのテーマは、「夢と知恵を育む」であるが、私はこれに「志と思いやりの大切さ」をつけ加えたい」云々とおっしゃってまして、私もこれは賛成です。 けれども、なかなか志が持てない時代、思いやりがなかなか、かけられない時代であるということも私は、率直に認めなきゃならんというふうに思います。 私は、教育の原点というのは、「みんな違って、みんないい」  金子みすゞって、以前言ったことありますけれども、実は、最近、そういうことで、個性重視の教育というふうに言われています。 それは、一見すると、確かにみんな違ってみんないい、個性重視の教育、いいように聞こえますけれども、しかし、今、国が唱えている個性重視の教育ちゅうのは、できる子はどんどん伸ばそう、できない子はしようがないよと。この格差が、私がどんどん広がる個性重視の教育じゃないかというふうに思うんです。 私が考える「みんな違って、みんないい」、個性重視の教育というのは、これはまた、金子みすゞの詩から引きますけど、皆さん、「大漁」という詩を御存じですか。  御存じですか。  朝やけ小やけだ  大漁だ  大ばいわしの  大漁だ。  はまは祭りの  ようだけど  海のなかでは  何万の  いわしのとむらい  するだろう。 いわしの弔い、海の中で、いわしの家族が、いわしの弔いする、この視点は、私は、本当に今の時代に大切な視点、思いやりの視点、それこそ私は、思いやりの視点であるというふうに思いますけれども、残念ながら、今の教育改革論議は、こういう視点がなかなかない、というふうに私は思ってます。 ですから、せめて山口県教育では、こういう金子みすゞが教科書にも載っていることですし、この大漁の視点が、ぜひ山口県教育界の中に生かされるように、どんな子もそれぞれ出番があるわけです。それぞれ持ち場があるわけです。 その子たちの、本当の意味で個が生かされるように、個性が生かされるように、そして、そのためには  そのためには、やっぱり一人一人の子供たちに目が行き届くように、先生の配置をしっかりしなければならん。 そのための私は教員の加配であり、先生たちがしっかり今の定数改善、このたびは提案されてますけれども、なかなか私たちが要求するとおりの定数改善になってませんけれども、それにしても、教育委員会は、いろいろ工夫なさって、山口県独自の施策を講じられております。 ぜひこれからも、本当に現場の意向を重視した教員配置のあり方について努力を続けていただきたい、というふうに思ってます。 教育長、教育委員長、もし何か御意見があれば、お聞かせいただきたいというふうに思います。 それから、合併と財政は、私の委員会ですから、また、そこで意見を言わせていただきますが、原発の話をしましょう。 知事、今の時点で、住民合意の状況をどのように見ておられますか。確かに、土地の問題については、問題があるという見解を示しておられます。住民合意の状況をどのように見ておられますか。それから、海の合意、関係漁業者の合意の状況をどのように、今の時点で知事は思っておられますか。このことについてお尋ねをいたします。 二○○○年の六月議会で、商工労働部長が、電調審の、当時の電調審ですね、電調審の上程は、地権者、それから、漁業権者の合意が前提である。地元の合意が前提である。そうでなければ上程は困難だろうということも、きっちり二○○○年の六月議会で商工労働部長、おっしゃっております。 だとするならば、私は、知事は土地のことばっかし言っておられますけれども、それも大切ですけれども、住民合意、それから、関係漁業者の合意もいまだ、こういう状況ですので、それは、クリアすべき懸案の課題だという認識に私は知事がなっていただかないと困ります。その辺について、もう一度、お示しをいただきたいと思います。 それから、地元の上関町で、ああいう世論調査の結果が示されました。上関町の政策選択を尊重するということで、ずっと知事は来られたわけですけれども、今の時点で、ああいう世論調査の結果が明らかになった時点で、上関町の政策選択はまだ尊重されるおつもりなのですか、どうなのですか、お尋ねをいたします。 それから、ちょっと時間がありますから、合併のことをお尋ねしますが、今、確かに知事は、合併は市町村の自主的な判断ということをおっしゃいました。確かにそうです。 しかし、せんだっての代表質問などの答弁を聞いておりますと、「合併は避けて通れない課題」だと。だから、「市町村に出向いていく」ということをおっしゃってます。 これで、合併は市町村の自主的な判断と言えるのですか。これはおせっかいと言うもんじゃないでしょうか。市町村の自主的な判断、確かにこのたび判断材料、いろいろ十二月議会でお示しになりました。そのことによって市町村や住民が議論をする。それは、市町村の判断です。 けれども、知事が、みずから合併は避けて通れない課題だと言って、市町村に出向いて行って説明する。これはおせっかいというもので、市町村の自主的な判断から逸脱をしております。知事の姿勢は変わったのですか。このことについてお尋ねをいたします。 それから、余計なお世話ということで、もう一つ申し上げますと、ちょっとまた原発に返りますが、余計なお世話ということで、今ちょっと大切なことですから。 国のエネルギー政策に協力するということで、県民にそういうことを「啓発する」とおっしゃいました。これも余計なお世話なんです。県民は、世論調査のとおり、「原発は嫌だ」と示してるわけですよ。安全性に問題がある。いろいろ世論調査、項目が載ってますけれども、地域振興にしても安全性にしても、原発を中心とするエネルギーはどうなのかという質問にしても、「ノー」の判断示してるわけですね。 ですから、そういう国の原発を中心とするエネルギー政策を県民に啓発する、これは県の余計なお世話なんです。このことについて、もう一度知事の答弁を求めます。 あと三分ありますけれども、答弁次第では、また再質問をさせていただきます。 ○副議長(横山豊治君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) 再質問にお答え申し上げます。 まず、上関原電立地についてでございますが、答弁の順序は変わりますけれども、御了解をいただきたいと思います。 私は、かねてから申し上げておりますように、上関原電立地計画につきましては、国のエネルギー政策に協力する立場と、地元上関町の政策選択を尊重する立場の中で、地元の合意形成の状況を見守っていくということを基本姿勢に、今日まで取り組んでまいりました。この姿勢につきましては、私は変えるつもりはございません。 したがいまして、一つは、国のエネルギー政策に協力する立場でPR活動等するのは、おせっかいだというお話がありましたが、エネルギー政策にやはり、理解を深めていただくという努力は県としてもしなければならない、というふうに思っております。 それから、上関の政策選択を尊重する立場でございますが、これもかねてから申し上げておりますように、上関町におきましては、町議会の議決を経て、この上関原電の誘致を決定をされて、そして、町の総合計画の中で重要な施策の一つとして、位置づけがされておるわけでございますから、県としては、上関町のこの政策選択は尊重する立場にあるということを、これまでも申し上げてきたところであります。 それから、住民合意の状況あるいは関係権利者の交渉状況について、現時点でどう思うか、ということでございますが、私は時点時点で、私の考え方を申し上げると混乱のもとになりますので、最終的に国から意見を求められた段階で、その時点で私としての最終的な判断をさせていただくということで、時点時点での私の見解は差し控えさせていただきたい、というふうに思っております。 なお、神社地、土地の問題についてだけ課題というのはおかしいではないかということでありますが、この神社地というのは、発電所の建設予定地に当たる用地になっておりますから、私は特に、これは課題であるということを申し上げておるわけでありまして、当然のことながら、住民合意の状況あるいは関係権利者との交渉状況等、いろいろな判断材料を総合的に検討し、対応するということでございます。先ほど答弁を申し上げたとおりでございます。 それから、合併について、出向いていくのも、これも余計なおせっかいではないかということでありますが、県として、昨年の末に広域行政の要綱も、お示しをさせていただいたわけでありますが、私みずからも、やはりこの県の要綱についての理解を深めていただく努力を市町村に対してしなければならないという思いでございますので、県として、パワーアップサミット等、広域圏ごとに集まる会合もありますから、そういう場に出かけていって、県の思い、私の思いを申し上げるということでありまして、決して自主的、主体的な市町村合併についての基本的な考え方を変えるということではありませんので、御理解をいただきたいと思います。 ○副議長(横山豊治君) 藤井健康福祉部長。    〔健康福祉部長 藤井俊彦君登壇〕 ◎健康福祉部長(藤井俊彦君) 授産活動の充実についての再度のお尋ねにお答えいたします。 山口県にあります障害者施設授産協議会でございますけれども、これは、社協の中に事務局はございますが、社協の仕事ではなくて、施設が自主的に組織した、独立した組織でございます。協議会におきましては、これまで自主的にそういう取り組みを進めてきたところでございますけれども、近年の景気動向がございまして、これを強力にバックアップしたいということで、県におきまして先ほど御答弁申し上げましたように、対策会議を設けて、この支援に努めてきたところでございます。 今後とも協議会を中心にして、みずから活性化を図っていただきたいと思いますけれども、県といたしましても、各方面でバックアップ支援していきたいと考えております。他県での取り組みも参考にしながら、授産活動の活性化について検討をしてまいります。 以上でございます。 ○副議長(横山豊治君) 牛見教育長。    〔教育長 牛見正彦君登壇〕 ◎教育長(牛見正彦君) 個性を重視した教育にかかわる質問にお答えをいたします。 本県の教育ビジョンでは、個性の一層の伸長と、それから、もう一つは、豊かな人間性、社会性の育成と、そういったことをうたっておるわけでございますが、その中の個性というものは、先ほどおっしゃいましたように、できる子、できない子といった視点ではなくて、子供たち一人一人が持っているいい点を伸ばしてやろうと。そういったことが、中心でございます。 その子のよい点を伸ばして、そして、個性豊かな人間性を身につけさせたいと、このように考えております。 今後とも創意工夫を凝らしながら、こういう子供一人一人が生きるような、そういう教育を進めたいと思っておりますし、また、先ほどのみすゞの詩にありましたような、相手の痛みのわかる子供たちを育てていきたい、このように考えております。 以上でございます。 ○副議長(横山豊治君) 佐々木明美さん。    〔佐々木明美さん登壇〕 ◆(佐々木明美さん) 教育長、答弁ありがとうございました。 金子みすゞの詩の気持ちを忘れないような生き方をお互いにしたいものですね。皆さんと確認をし合いましょう。そして、山口県に住んでいる子供  山口県だけではなくて、世界じゅうの子供たちが幸せになるように。 先ほども虐待の話が出ましたけれども、きのうの新聞見ると、死んだふりをして暴力から逃れていたという、本当に痛ましい事件の報道がありましたけど、幸せのために頑張りましょうね。 それから、知事。失礼しました。土地にこだわるのは、建設予定地だからというお話でした。そりゃ確かにそうです。でしたら、祝島漁協の問題どうなるんですか。祝島漁協は、関係漁協ですよ、関係漁協です。そして、全漁業者の理解を得て全国の原発は動いているという、これが当たり前の原発立地のルールです。 ところが、山口県の場合は、祝島が提訴中であるにもかかわらず、祝島の存在は全然知事はおっしゃいません。山口県は全然おっしゃいません。これも土地の問題と同じように関係者ですよ。これはどうなるんですか。 先ほどの知事の答弁から言えば、ちょっと整合性がないんじゃないでしょうかね。知事の答弁からすると、祝島も関係者の一つだから、海の合意もいまだ至っていないという認識に至られるのが、私は当たり前のことだというふうに思います。この辺について、もう一回答弁いただきます。 ○副議長(横山豊治君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) 住民合意の関係についての御質問でございますが、神社地につきましては、用地の取得がされてないということで、課題ということで申し上げておるわけであります。 漁業補償の方につきましては、漁業補償契約は締結をされているという事実関係があるわけでありますが、一方で訴訟があるということも含めて、県として最終的にどのような判断をするかということを今内部で検討してる段階であるということでありまして、先ほどの答弁の繰り返しになりますが、住民合意あるいは関係権利者との交渉状況等も踏まえながら、総合的に検討し、対応していきたいということでございます。 ○副議長(横山豊治君) 守田宗治君。    〔守田宗治君登壇〕(拍手) ◆(守田宗治君) 県民の幸せを求め続けております、自由民主党の守田宗治であります。 暦の上では啓蟄が過ぎ、野山は木々が芽吹き、大地は若草の息吹で燃える春が、ことしもやってまいりました。 人の営みや世の中がどんなに変化しようとも、世界が激動の渦にあろうとも、自然は変わることなく、四季を重ねていきます。 今、二十一世紀のスタートラインに立ち、最初の春を迎えたとき、二十二世紀へつなぐバトンを持つ私たちの責務の重さを感じるのであります。 二十世紀を振り返りますと、人類は、物の豊かさを追求して、工業化社会を推し進め、民族間の争いや国同士の戦争を繰り返し、また、化石資源や森林資源を湯水のこどく消費して、大気や水質の汚染を引き起こしてまいりました。 まさに、この百年間は、我々人類が地球を傷つけ続けた世紀でありました。 その反省に立って、私たちは、二十一世紀を地球に優しく、地球をいやす世紀としなければならないと思うのであります。 二十二世紀に、今以上に希望に燃えた春が訪れることができるよう、人類と自然の共生の道を模索していくことが、今、政治に携わる私たちに課せられた責務であるということを胸に刻んで、質問に入ります。 まず、周南地域の中核都市形成についてお尋ねいたします。 平成十二年の国勢調査によりますと、本県の人口は、約百五十二万八千人と百五十三万人を割り込み、五年間で約二万七千人減少しております。 また、現在、法定合併協議会で合併論議が行われている、周南地域の三市二町の人口は約二十一万人、減少人口は五年間で四千五百六十九人と、ほぼ鹿野町の人口に匹敵するものであります。これは極めて憂慮すべき事態であります。 この要因は、近年の景気低迷の影響や少子化による出生率の低下もさることながら、若者の県外流出に歯どめがかからなかった点にあると思います。 これまでも周南地域においては、社会経済情勢の変化や、地方分権という大きな流れを見据えて、地域の発展のために、合併による新しい都市づくりに取り組んでこられたところですが、今日、既に受け皿となる中核都市が形成されていたならば、このような急激な減少は避けられたのではないかと、まことに残念でなりません。 また、合併特例法の改正により、国の合併促進制度もかなり充実してきましたが、法の期限は平成十七年三月となっており、この点からも、中核都市形成の達成に向けた取り組みを早めていかなければならないと考えます。 このように、中核都市形成の重要性はますます高まっていると考えますが、どう受けとめておられるのか、御所見をお伺いします。 次に、周南合併に係る新市建設の推進方策についてお伺いします。 周南地域におきましては、現在まで、法定合併協議会が十二回開催され、さまざまな合併論議がなされております。 また、県においては、周南道路や、新たな交流拠点施設の整備に向けての予算措置を講じられるなど、合併促進に向けての県の意気込みがうかがえるところであります。 しかしながら、私の率直な現場感覚で申しますと、法定合併協議会にはまだまだ不協和音があり、合併論議にいま一つ、盛り上がりを欠いているのではないかと懸念しております。 その最大の要因が、果たして合併したときに、中核都市全体が活性化するかどうかの見きわめがつかない、という点にあると思うのであります。 そして、多くの市民は、新市建設計画において、新市が全体として発展し得るビジョンが示されることを切望しているのであります。 産業、経済、教育・文化、福祉などの高次都市機能を備え、定住・交流人口の促進活発化、多様な都市サービスの享受や就業機会の拡大が図られる中核都市を形成するには、核となる都心が必要なことは言うまでもありませんが、周南三市二町は、それぞれ固有の歴史、文化、産業等の地域特性を有しているところであり、それらが十分に生かされ、新しい都市として、地域全体が発展を遂げていくことが何よりも重要であると考えます。 そこで、県としては、周南地域の中核都市の形成に向けて、各地域の特性を生かした総合的なまちづくりにより、一体的で均衡ある発展を期すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 次に、農業問題に関するお尋ねをいたします。 昨年十一月、山口統計情報事務所から発表されたデータによりますと、平成十一年度の本県における農業粗生産額は、九百億円を割り込んで、八百三十五億円になったとのことであります。 このことにも如実にあらわれておりますとおり、本県の農家を取り巻く現状には、依然として厳しいものがあります。 こうした農業粗生産額の落ち込みは、農業者の所得低下に直結します。 そして、収益の上がらない農業は産業としての魅力を失い、それがひいては、耕作放棄地の増加、農地の荒廃につながっていくのであります。 瑞穂の国として、太古の昔から営々と築き上げられ、人々の命の糧をはぐくんできた農地が、昨今の生産調整などの農業政策によって、瞬く間に減少していくことは、まことに憂うべきことであります。 農地を保全し、農業を守ることは、国土保全や治水など、公益的機能の発揮という観点からも、極めて重要であります。 まさに、農業・農村は我々日本人の「原点」であり、「心のふるさと」でもあると思うのでありますが、知事は、こうした農業・農村の重要性をどのようにお考えでしょうか、まずお伺いいたします。 私は、農村の大切さや、農地保全の重要性に立脚した上で、農業をいかにもうかる産業として育成し、若者たちが魅力を感じることのできるものにしていくかが、これからの県政に託された最重要の課題であると考えております。 こうした課題に対処していくためには、所得確保を機軸とした農業施策の展開が不可欠であります。 もはや農業者が、品質のよい農産物さえつくっていれば所得が確保できるという時代は終わりを告げました。 消費者のニーズをしっかりと把握し、流通・販売業者とも十分連携した上で、計画生産、計画出荷を推進するような体制づくりを進めないならば、満足な収益を上げることなど、到底、不可能だと思うのであります。 例えば、大量消費者である県内の自衛隊や、企業、病院、学校といったところをターゲットとして、県内農産物の売り込みを図るといった手だてを講じていく必要があります。 また、現在、県内には、約三百余りの朝市等の販売施設があるそうですが、こうした朝市や道の駅といった直販ルートを通じて、新鮮な農産物を販売していくのも、一つの手法であろうと思います。 現に、私の地元である下松市におきましては、JA周南の下松支所に「フレッシュ百円市」が常設され、約三百三十名の登録会員の方々が、新鮮な地元の農産物を提供することにより、年間一億三千万円にも上る売り上げを計上しておられます。 昨年実施されました「県政世論調査」の結果によりましても、「地元の農産物を食べたい」との意向を示した人が、全体の八八・三%に達したとのことであります。 また、「県政モニター調査」においても、農産物に求める要素として、「新鮮さ」や「安全性」と答えた方が、約六割を占めたとのことであり、消費者の新鮮・安全・安心の志向をとらえた販売戦略をとることも、非常に有効な手法であると考えられます。 さらに、県民の方々に県産品をしっかりと愛用してもらう、いわゆる「I LOVE 県産品」といった取り組みを進めることも、将来的な県産品のファンをつくる意味から、非常に意義が大きいと思うのであります。 以上、るる申し上げましたが、単なる物づくりの推進にとどまらず、流通・販売の部門としっかりと手を結び、消費者の求めに応じた、顔の見える生産・流通の体制を構築していくことこそ、農家の所得確保を図る上でのキーポイントであると考えます。 そして、こうした取り組みによって、農業の魅力アップと、新規参入者を招き入れる活力ある農村の構築が可能になるものと、私は確信しております。 そこでお尋ねしますが、もうかる農業を目指し、消費者ニーズを踏まえた生産・流通の体制を整備するに当たり、県として、どのような方策を考えておられるのか、御所見をお伺いします。 次に、企業誘致の推進についてであります。 産業活動のグローバル化の進展に伴い、我が国の企業は、製造業を中心に、安価な労働力を求め、アジア地域の国々に特定の生産機能の移転を進め、アジア諸国や欧米などへの工場立地が進んでいます。 また、国内においては、地方へ進出した多くの企業において、規模の縮小や工場閉鎖が進むとともに、コストの低減化を目指した、地方への新規事業展開も大幅に減少するなど、地方を中心に、生産機能の空洞化による地域経済の活力低下が起こっております。 さらに、バブル経済の時代に、積極的な設備投資を行うとともに雇用の拡大を進めてきた企業の多くは、バブルの崩壊とともに、過剰な生産設備と余剰人員を抱えることとなり、現在、この過剰設備と雇用を調整するため、社内事業所の統廃合などの取り組みを余儀なくされております。 このため、地方における企業誘致を取り巻く環境は、生産機能の空洞化や、バブル崩壊の後遺症といった逆風に加え、長引く景気の低迷、さらには、企業誘致の地域間競争の激化等により、まことに厳しい情勢にあります。 実際、平成の時代に入ってからの本県の誘致企業の推移を見ましても、平成二年の四十二件をピークに、次第に減少を続け、平成九年からは一けた台に落ち込むといった状況で、今申し上げたような厳しい環境条件が大きく影響しているとはいえ、大変残念なことであると申し上げざるを得ません。 申し上げるまでもなく、企業の誘致は、県内産業の高度化に資するとともに、新たな雇用の創出や自治体における税収の増加など、地域経済の活性化に多面的なインパクトを与えるものであり、企業誘致の推進は、本県産業の振興に向けての最重要課題の一つであります。 こうした中、企業誘致の推進を目指す各県におきましては、誘致の地域間競争に打ち勝つため、工業団地の整備やPR活動への取り組みを初め、各種優遇制度の導入など、あらゆる手段を講じてしのぎを削っております。 本県でも、すぐれた立地条件を持つ十七の主要産業団地において、誘致企業の受け皿として二百五ヘクタールの分譲用地を用意し、積極的な誘致活動に取り組んでおられるところです。 私の地元である下松市におきましても、周南交流シティーに一区画、三・三ヘクタールの分譲用地があり、立地の促進に努めているところであります。 このため、私は、本県におきましても、他県に対し、一歩も引けをとらないような企業誘致に向けた積極果敢な施策を打ち出し、一件でも多くの企業誘致に結びつくよう、全力で取り組んでいくことが重要であると考えるものであります。 そこでお尋ねをいたしますが、知事は、企業誘致の推進について、今後どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねいたします。 次に、教育問題についてお尋ねをいたします。 まず一点目は、高校改革の推進についてであります。 明日は公立高校の入学試験の日であります。約一万四千人の生徒が、期待と不安を胸に、あすの日を待っております。 さて、現在中学二年生の子供たちが高校を受験する平成十四年は、公立高校の通学区域が大きく変わる年であります。 この新通学区域の実施や、新しいタイプの学校の設置を初めとした特色ある学校づくりなど、これまで県教委が進めてこられた高校改革が大きく開花する年に、高校に入学する今の中学二年生は、いわば、「高校改革第一期生」とも言える学年であります。 このような大きな改革は、親も子も初めて経験するものでありまして、私は、このたびの改革を円滑に軌道に乗せるためには、当事者である子供たちやその保護者へ、改革の趣旨を周知徹底させることが何より肝要である、と思うのであります。 そこで、教育長にまず、お尋ねをいたしますが、通学区域の改善とともに推進してこられた高校の特色づくりが、いよいよ集大成されようとしている今、その周知徹底をどのようにして図っていかれるのか、御所見をお伺いいたします。 ところで、私は、県教委のこうした一連の改革は、子供たち一人一人にとって、選択幅の広い教育を実現するために進めてこられたものと理解しております。 とりわけ、これまでにない新しい教育システムである、中高一貫教育の導入については、子供たちの学校選択幅を拡大することにもなるものであり、県教委におかれては、これまでも、積極的に取り組んできておられるところではありますが、なお一層の推進を切望するものであります。 折しも、県の「中高一貫教育研究会議」では、先ごろ、橘・東和地域及び下関地域に引き続き、玖珂・周東地域における中高一貫教育のあり方についての研究報告をまとめられたと伺いました。 私が思いますには、学力による入学試験のない、中高一貫教育校というものは、まさしく、私の理想としますところの「子供たちが伸び伸びとその個性を発揮しつつ、自分の夢を実現できる学校」ではないかと思うのであります。 そこで、教育長にお尋ねをしますが、中高一貫教育研究会議の報告を受けて、玖珂・周東地域において、中高一貫教育の導入に向けて、どのように取り組んでいかれるのか、さらには、今後、全県的に中高一貫教育をどのように推進していかれるのか、御所見をお伺いいたします。 次に、ナベヅルの飛来数回復対策についてお尋ねをいたします。 ことしも、春の訪れを告げるナベヅルの北帰行が始まるごろとなりました。 ことしの飛来数は二十一羽、地元の方々の願いもあって、一昨年の十七羽から、昨年、ことしと、わずかずつではありますが、ふえております。 八代盆地の上空を何度も旋回しながら、お世話になった地元の方々への感謝の心をあらわすかのように旅立つナベヅルの姿と、「元気でな。また来いよ」と旅立ちを見送る地元の方々の姿は、人と生き物の心が一つになった光景でありまして、環境問題がクローズアップされている現在にあって、環境保護の原点の姿ではないかと思うのであります。 昨年十月、私ども文教警察委員会の委員は、長谷川委員長を先頭に、初冬の北海道・釧路のタンチョウ保護増殖センターを視察いたしました。 タンチョウは、北海道に現在、七百羽が生息し、年々生息数は増加しているが、まだ絶滅の危機にあるとのことです。 センターでは、その増殖と、傷を負ったタンチョウが飼育されており、六十メートル四方の広大なオープンゲージの中で、雌雄ペアのタンチョウが悠然とえさをついばんでいました。 園長に、ツルの保護活動に何が一番大切かと尋ねると、「野性と向き合う人の心がすべてだ」とのお言葉がありました。 八代のナベヅルも、釧路のタンチョウヅルも、その保護に向けた地元の方々の熱い思いが、二十一世紀の今も受け継がれ、その歴史の重みを感じるのであります。 さて、八代のナベヅルの保護活動は、現在では、地元八代の人々の寝食を忘れた保護活動もさることながら、我が下松市の大藤谷一帯での、ジャイアントパンダクラブ周南によるねぐらの整備や、熊毛町の町おこしグループ「夢現塾」による国境を越えた韓国順天市との交流など、ナベヅルを通じた地域の活動は、ますます広がりを見せております。 しかしながら、こうした努力にもかかわらず、ツルの飛来数が思うように増加しないのが現状であります。 また、国内のもう一つの越冬地である鹿児島県出水平野では、ナベヅルの全生息数の九割が集中していることから、伝染病による絶滅の危機もささやかれています。 このため、日本、中国、韓国の研究者による、越冬地分散化の方策を探る国際会議も開かれるとのことであります。 こうした中、県教委におかれては、ツルの飛来数が三十羽を割った平成六年から、「長期的ツル保護対策調査研究事業」に取り組まれ、文化庁と連携をとりつつ、地元行政、ボランティア団体の協力を得ながら、専門的なツルの増殖対策を検討され、平成十年からはツルの実物大の模型、デコイによる誘引事業が行われ、さらには、飼育ツルの放鳥による飛来数の増加対策を検討されていると聞いております。 ツルの数をふやしたいという願いは、ツルの減少が人の生活の豊かさの減退につながるという素朴で謙虚な気持ちに端を発していますが、行政と地域が一体となったさまざまな保護活動は、地域のコミュニケーションの場となり、また、自然保護の重要さを啓発する場ともなっており、県教委には、専門的な立場から、引き続き保護活動の充実をしていただきたいと考えております。 そこで、教育長にお尋ねをいたしますが、これまで行われてこられたデコイによるツル誘引の効果をどう評価されておられるのか、また、今後、飛来数回復策について、どのように取り組まれようとしているのか、御所見をお伺いいたします。 また、ナベヅルの保護対策は、一方では人間との共存社会でのことであり、当然利害も生じております。 先ほど申し上げましたように、ツルのねぐらは、下松市の大藤谷地区にあります。しかし、鳥獣保護行政は市町村境で区切られております。 熊毛町八代地区は鳥獣保護区域となっており、ねぐらがある大藤谷地区は休猟区となっています。この休猟区は、ことしの十月三十一日で切れ、十一月一日からは可猟区になります。 ツルの越冬時期と猟期が全く同時期でありますので、十一月十五日の猟解禁日以降は、ツルのねぐらで銃の発砲音が鳴り響くであろうし、猟犬が飛び歩くさまが目に浮かぶようであります。このように、ツルの生息に大きな影響を与えることを懸念しております。 ツルの保護の観点から、この地区の生息環境等の保全に適切な対応をしていくべきと考えますが、御所見をお伺いします。 また、この地区は、イノシシによる農業被害が多く出ており、農家にとっては、深刻な問題となっております。 この地域では、ツルの保護対策の観点から、狩猟等の駆除対策が、ある程度の制約を受けざるを得ないと考えられる中で、イノシシによる農業被害防止について、県としてどのように対処されるのか、お伺いいたします。 次に、警察行政について、山浦警察本部長にお尋ねをいたします。 全国的に警察の不祥事が多発したことから、昨年三月、国家公安委員会の要請により、有識者で構成する「警察刷新会議」が発足し、公安委員会制度や警察の諸制度をめぐる議論がなされ、七月には、「警察刷新に関する緊急提言」が取りまとめられました。 これを受けた国家公安委員会と警察庁では、提言内容を実現するため、「警察改革要綱」を都道府県警察に示したところであります。 また、同要綱では、「国民のための警察の確立」、「新たな時代の要請にこたえる警察の構築」などを大きな柱として、具体的な施策を積極的に推進することとされている、と聞き及んでおります。 このような改革は、昭和二十九年、現行の警察制度が発足して以来の大きな改革であり、時あたかも、二十一世紀という新世紀の幕あけに呼応した、まさに新しい警察の船出であります。 もとより警察は、「悪いことをした者を捕まえ、社会の治安を守る」というのが本旨であり、法を犯す者に対しては威厳を持っていなくてはならないと思うのであります。 しかし、その反面、一般県民に対しては、親しみが持て、頼りにされる警察でなくてはならないとも思うのであります。 かつて私は、私淑する先生から、「警察を知りたければ、これを読め」と言われ、「赤い門灯」という小冊子を読んだことがあります。 その本には、全国各地の駐在所のお巡りさんやその家族が、地域住民と一体となって、地域の安全のために活動する姿が生き生きと描かれており、大変感動したことがあります。これこそ警察の原点ではなかろうかと思うのであります。 このように、警察の本来あるべき姿に沿いながら、さきに申しました、新たな警察を構築していかなくてはならないのであります。 本議会に上程されております「警察署協議会」については、地域住民と安全意識を共有し、ともに安全な地域を構築していく上で、大変有効な手段であると高く評価するものでありますが、協議会委員の人選に当たっては、不偏不党、公正中立を旨とした人選に当たられることを、まずは強く要望しておきます。 さて、警察刷新会議の緊急提言においては、そのほかにも、「国民のための警察」を確立するために、「公安委員会の機能強化」や、「警察に対する困り事相談、苦情・要望に対する対応の充実」について提言されており、県警察にあっても、社会の大きな変化の中で、県警察の仕事のあり方や組織運営を警察改革要綱に沿って抜本的に見直し、新たな時代の要請にこたえる必要があろうかと思うのであります。 そこでお尋ねをいたしますが、県警察では改革にどのように取り組まれるのか、山浦本部長の御所見をお伺いいたします。 以上で一般質問を終わります。(拍手) ○副議長(横山豊治君) 二井知事。    〔知事 二井関成君登壇〕 ◎知事(二井関成君) 守田議員の御質問にお答えを申し上げます。 最初に、周南地域の中核都市形成に関するお尋ねでございます。 周南地域の人口動態につきましては、お示しのとおりでありますが、近年、若年層を中心に人口が減少している実態からいたしますと、魅力ある雇用の場や都市的サービスを提供する中核都市が形成されていなかったことも、大きく影響していると考えております。 県といたしましては、改めて、中核都市形成の重要性を認識をいたしておりますが、地元におきましても、こうした状況を真摯に受け止め、合併による新しいまちづくりを、一日も早く具体的なものとしていただく必要があると考えております。 次回の合併協議会では、将来のビジョンとなる新市建設計画が提案される予定と伺っておりますので、今後は、合併の目標時期も含め、合併の実現に向けて、具体的な論議が進捗するものと期待をいたしております。 また、新市建設の推進方策に関してでありますが、私は、新市の建設に当たりましては、各地域において、それぞれの特性を生かした振興を図るとともに、地域相互の有機的連携を強化することにより、新市が全体として発展できる都市づくりを進めることが極めて重要であると考えております。 合併協議会におきましても、これまで、新市建設計画の検討に当たりましては、「複数の地域核を持つ多極ネットワーク型都市」を形成し、一体的で均衡ある発展を目指すことが論議されているところであります。 このため、県としては、新市建設計画の中で位置づけられる、各地域の拠点形成に必要な都市機能や、地域間を結ぶ交通ネットワーク、さらには、地域特性に応じた生産基盤や生活環境基盤について、地元と連携して整備を進めていきたいと考えております。 周南地域の中核都市形成は、県全体の活性化を進める上からも極めて重要であります。 県といたしましては、今後とも新市建設に向けて、地元の取り組みを全面的に支援してまいる考えであります。 次に、農業・農村の重要性についてのお尋ねであります。 私も、美祢市の農村に生まれ育ったわけでありまして、まさに農村は  先ほどの話にありましたように、「心のふるさとだ」というふうに思います。 申すまでもなく、農業・農村は、食料を中心とする農産物を県民に安定供給をするという基本的な役割に加えまして、県土・自然環境の保全、水源の涵養、景観の形成などの多面的な機能を有しております。 さらには、県民の豊かな生活やさまざまな文化をはぐくむなど、県民の貴重な財産であり、その振興は県土の均衡ある発展を図る上からも、極めて重要であると考えております。 しかしながら、お示しがありましたように、本県の農業・農村には、生産調整の拡大や農業所得の低下、さらには、耕作放棄地の増加など、多くの課題があります。 このため、私としましては、農業・農村が産業・地域として持続的に発展をするとともに、その役割や機能が将来にわたって最大限に発揮をされますように、県民の参加と理解を得ながら、引き続き、農業・農村の振興に向けた諸施策を積極的に推進をしていく考えであります。 次に、企業誘致についてのお尋ねであります。 若者を初めとする定住人口の増加を図り、地域を活性化させるためには、企業誘致を積極的に進めていくことが重要であると考えております。 このため、県といたしましては、雇用の場の創出や、地域への多面的な波及効果が期待できる、優良企業の誘致や投資誘致に積極的に取り組んでおりますが、お示しがありましたように、長引く景気低迷や地域間競争の激化等、企業誘致を取り巻く環境は大変厳しいものがあります。 こうした中で、優良企業の誘致等を進めていくためには、企業の新規展開の情報を他県に先駆けて収集することが重要でございますから、新年度から、産業界に精通した企業誘致アドバイザーや名古屋連絡窓口の設置など、情報収集体制を強化することにいたしております。 また、他県との競争力を強化するために、「企業立地促進補助金」につきまして、対象業種の拡大や、補助率及び補助限度額の大幅な引き上げを行いますと同時に、県土地開発公社が造成した団地について、従来の五年間の土地無償リース制度に加えまして、新たに十年間の割賦分譲制度を創設をするなど、企業誘致方策の抜本的な見直しを行ったところでございます。 今後、これらの方策を総合的に展開いたしますと同時に、引き続き産業基盤の整備等を進め、「やまぐち情報スーパーネットワーク」等の情報インフラも活用しながら、市町村や関係機関との緊密な連携のもとに、一社でも多くの優良企業の誘致や投資誘致に、全力で取り組んでまいりたいと考えております。 そのほかの御質問につきましては、関係参与員よりお答え申し上げます。 ○副議長(横山豊治君) 原田農林部長。    〔農林部長 原田公平君登壇〕 ◎農林部長(原田公平君) 私からは、農業問題のうち、消費者ニーズを踏まえた生産・流通体制の整備について、お答えを申し上げます。 お示しのとおり、消費者ニーズに応じた農産物の安定的な生産と、その消費の拡大は、農家所得の向上を図る上で、大変重要でありますことから、これまで地域の特性を生かした産地づくりや、「正直やまぐちブランド」を中心とした流通販売対策を推進してきたところであります。 こうした中、輸入農産物が増大し、産地間競争がさらに激化する一方で、県民の新鮮で安心な県産農産物への期待が高まっておりますことから、このような環境変化に適切に対応し、農家所得の向上を図るためには、生産と流通が一体となった仕組みづくりや、県民の理解と参加による県産農産物の利用促進が重要な課題であると考えております。 このため、生産と流通が一体となった仕組みづくりにつきましては、新たに創設する「見つめて・やまぐち農産物愛用促進事業」により、地産・地消の推進に向けて、生産者や農協、流通販売関係者、消費者等で構成する組織を設置しまして、卸売業者等を介して、消費と生産を結びつける場づくりを進め、県民ニーズに的確に対応し、受注生産が可能な産地を育成するとともに、新鮮で安心な県産農産物をより迅速に届けるため、出荷規格の簡素化や相対取引の拡大などに取り組む考えであります。 また、多様な流通を活性化するため、大口需要者である企業や病院、食品産業や外食産業等との契約取引の拡大を進めますとともに、道の駅や朝市などのネットワーク化による販売促進など、生産地と消費地が近いという、本県の特色を生かした取り組みを進めていくこととしております。 次に、県産農産物の利用の促進につきましては、山口県産の表示の徹底や個性あるブランドを育成するなど、県外産農産物との差別化を一層進めますとともに、販売協力店の確保など、県産農産物を身近に感じ、安心して消費できる取り組みを進めていくこととしております。 さらに、こうした取り組みにあわせまして、県民が主体となって運営する「食と緑の県民フォーラム」を創設し、地産・地消を中心とした県民運動を推進していくこととしております。 これらを総合的に実施することにより、山口らしい地産・地消を基本とした生産・流通体制の整備を進め、農家所得の向上に努めていく考えであります。 ○副議長(横山豊治君) 小倉環境生活部長。    〔環境生活部長 小倉淑夫君登壇〕 ◎環境生活部長(小倉淑夫君) 私からは、ナベヅルの生息環境の安全対策と、イノシシの農業被害防止対策の二点について、お答えをいたします。 まず、生息環境の安全対策についてでありますが、お示しのように、下松市大藤谷地区の休猟区が、平成十三年十月三十一日をもって終了しますことから、当面の対策として、これまでどおり、ナベヅルが安心してこの地区に飛来してくれるよう、下松市を初め、地元住民の皆様や猟友会等関係団体の御理解と御協力を得ながら、銃猟禁止区域の設定等、適切な対応について検討することといたしております。 なお、抜本的なナベヅルの保全対策につきましては、平成十三年度中に策定する「第九次鳥獣保護事業計画」において、専門家や地元関係市町の御意見もいただきながら、検討してまいりたいと考えております。 次に、イノシシの農業被害防止対策についてでありますが、お示しの大藤谷地区には、ナベヅルのねぐらがあることから、ツルの保護に配慮した対策を地元の意向や「ツル保護対策委員会」の意見を踏まえ、講じていく必要があります。 このため、県単独事業に加え、国の補助事業を活用することにより、農地への侵入をふさぐ防護さくの設置を計画的に進めていくことといたしております。 また、有害駆除のための捕獲につきましては、ナベヅルの越冬時期の銃による駆除を避け、保護さくやくくりわなの設置など、ナベヅルに影響の少ない駆除対策により、駆除の効果が上がるよう努めていきたいと考えております。 今後とも、関係機関と一体となって、ツルの保護に配慮した、イノシシ被害防止対策に取り組んでいく考えであります。 以上でございます。 ○副議長(横山豊治君) 牛見教育長。    〔教育長 牛見正彦君登壇〕 ◎教育長(牛見正彦君) 教育問題についてのお尋ねにお答えを申し上げます。 まず、高校改革の推進に関して、高校の特色づくりの周知徹底についてでございます。 御案内のように、現在、学校選択幅を拡大するために、新通学区域の実施にあわせまして、各高校の特色づくりを推進しているところでありますが、中学生が、自分の個性に応じて高校を主体的に選択するためには、各高校の特色や入学者選抜の方法に関する情報を、早い時期に確実に伝えることが重要であると考えております。 そのため、こうした情報を掲載した「学校紹介ガイドブック」を作成し、新通学区域が実施される平成十四年四月に高校へ入学する、現在の中学二年生全員に配布し、その周知徹底を図ることにいたしております。 また、来年度、「高校選択サポート事業」を実施し、新通学区域ごとに説明会を開催するなどいたしまして、中学生やその保護者に対しまして、進路選択に必要な情報を提供し、新しい制度のもとで、中学生が行きたい高校をみずから選ぶことができるよう、支援をしていくことにいたしております。 次に、中高一貫教育の導入についてでありますが、本県におきましても、「中高一貫教育研究会議」を設置をいたしまして、県内三地域で導入の検討を進めてまいりました。 お尋ねの玖珂・周東地域につきましては、本年一月に、研究会議から「併設型中高一貫教育の実施が適当である」との御提言を受け、県教委では、具体的な検討を進めるとともに、関係各方面との調整を図ってまいりました。 その結果、このたび、平成十五年度を目途に、併設型中高一貫教育を実施するよう、方針を決定をいたしたところであります。 具体的には、高森高校に県立中学校を併設し、「ゆとりを活用し、多様な交流を創造する学校づくり」、これをコンセプトに、六年一貫の教育を実施する予定であります。 また、県立中学校の学校規模につきましては、高校段階からの入学も可能とするため、一学年一学級とし、通学区域については、初めての県立中学校でありますことから、県内全域とすることにいたしております。 今後、教育内容等について、さらに検討を進めてまいりたいと考えております。 今後の取り組みについてでありますが、全県的な視野に立って、中高一貫教育校の設置について研究してまいりたいと考えておりまして、これまでの三地域に引き続き、来年度は新たに秋芳・美東地域においても、地域の実情に即した中高一貫教育の在り方について、研究に取り組むことといたしております。 県教委といたしましては、今後とも、子供たちが主体的に学校選択ができるよう、必要な情報の周知徹底を図るとともに、中高一貫教育校を初めとした、特色ある学校を各通学区域にバランスよく配置し、生徒一人一人の個性や創造性を十分に伸ばす教育を展開をしてまいりたいと考えております。 次に、「八代のナベヅル」の飛来数の回復対策についてのお尋ねであります。 お示しのとおり、県教委では、平成六年度に設置しました「調査研究委員会」の意見を十分に尊重しながら、ねぐらの復元やえさ場の確保、えさのまき方の改善、さらにはデコイによるツルの誘引など、飛来数の回復に努めてきたところでございます。 まず、デコイによる誘引の効果についてでありますが、デコイを設置した平成十年度以降、八代に飛来したツルがほとんど逃げずに越冬するようになったことから、飛来したツルを定着させる効果はあったものと考えております。 次に、飛来数回復に向けた、今後の取り組みに関するお尋ねでありますが、引き続き越冬環境の整備を行うとともに、デコイの設置方法などを、より効果が上がるように工夫をしてまいりたいと考えております。 また、現在、調査研究委員会から、「若いツルを八代で一定期間飼育し、翌年、家族を引き連れてふるさとに戻ってくることを期待して放鳥する、新しい試みも必要ではないか」という提言もいただいております。 しかしながら、実施に当たりましては、いろいろと解決すべき課題もありますので、関係機関の意見も聞いた上で検討を重ね、お示しの飛来数回復に万全を期してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(横山豊治君) 山浦警察本部長。    〔警察本部長 山浦耕志君登壇〕 ◎警察本部長(山浦耕志君) 県警察の「警察改革」への取り組みについてお答えをいたします。 国民の警察に対する信頼を回復し、国民から負託された責務を全うするために、お示しのとおり、警察刷新会議による緊急提言を受けて、昨年八月、警察庁から警察改革要綱が示されたところであります。 県警察では、この要綱に基づきまして、警察改革を総合的に推進するため、昨年九月に、警察本部に改革推進委員会を設置し、改革の具体化に向けて、種々検討を重ねてまいりました。 現在、一応の基本方向を取りまとめ、一部は既に実施に移しておりますが、制度改革につきましては、本議会にも警察署協議会条例案を上程し、御審議をお願いしておるところであります。 県警察の警察改革の概略を、警察改革要綱の示す四本柱に沿って、具体的に申し上げますと、まず、「警察行政の透明性の確保」という点につきましては、公安委員会による監察の指示への対応や苦情事務の処理のため、総務課に「公安委員会補佐室」を設置すること。職務執行に対する県民からの苦情の誠実かつ適正な処理のため、苦情を申し出た方にその結果を文書で通知、回答する制度を創設することなどによりまして、県民に開かれ、透明性の高い警察運営に努めてまいることとしております。 次に、「国民のための警察の確立」という点につきましては、地域住民の方の御意見を警察運営に反映していくため、部外の有識者からなる「警察署協議会」をすべての警察署に設置すること。現在、各警察署に設置しております「困り事相談係」を苦情処理の窓口と統合し、下関など六警察署に「警察安全相談課」、その他の警察署に「警察安全相談係」を設置することなどによりまして、県民のための警察行政を推進してまいることとしております。 また、「新たな時代の要請にこたえる警察の構築」という点につきましては、悪質、巧妙化する犯罪情勢に的確に対応するとともに、告訴・告発への取り組み強化など、捜査管理を徹底するため「刑事企画課」を設置すること。銃器・薬物事犯など、組織犯罪やハイテク犯罪等に的確に対処するため組織の再編を行い、また、職員の専門的技術能力の養成を図ることなどによりまして、社会の動きを敏感に反映した警察活動を推進していくこととしております。 最後に、「警察活動を支える人的基盤の強化」という点につきましては、「県民の要望にこたえ、新たな行政需要への対応と現場執行力の強化を図る」という観点から、県警察の各部門の組織、運用体制の抜本的な見直しを図り、警察本部の体制を極力スリム化するとともに、職員の警察署への増強配置を行っていくこととしております。 県警察といたしましては、このたびの警察改革をきっかけとして、警察職員の意識改革にも努め、新たな世紀にふさわしい、「県民のための警察」の確立を目指してまいる所存でございます。 ○副議長(横山豊治君) 本日の一般質問及び提出議案に対する質疑は、これをもって終了いたします。 ○副議長(横山豊治君) 以上をもって、本日の日程は全部終了いたしました。 本日は、これをもって散会いたします。どうも御苦労さまでございました。    午後三時十四分散会      地方自治法第百二十三条第二項の規定によりここに署名する。               山口県議会議長    島   田       明               副  議  長    横   山   豊   治               会議録署名議員    河   村   敏   夫               会議録署名議員    吉   田   和   幸...